過去ログ - 【俺妹SS】俺と妹が夫婦なわけがない!
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◆NAZC84MvIo
[sage]
2011/03/21(月) 15:45:11.53 ID:i0ejkdIE0
本文:いつもの公園で待ってます
勘のいい奴じゃなくてもわかるだろ?これはあやせからのメールだ。
新垣あやせ――妹の表の親友だ。と言っても桐乃のオタク趣味の事はもう知ってる。
ああいう趣味を毛嫌いするあやせが桐乃の趣味を知ったときは大変だったが、
二人の友情は壊れることなく続いているし、常に桐乃のことを気遣ってくれるいい友人だ。
だからこれは桐乃のことで相談があるってことで間違いない。
「で、今日は何があったんだ?」
公園についてさっそく話を切り出すと虹彩の消えた瞳で恐ろしい事を言い出しやがった。
「わたし、桐乃に手を出したらぶち殺しますよって言ってましたよね?」
まてまてまて!!その手に持ってるものはなんだ!?
「おお、お、落ち着け!一体何の話だ!?」
「とぼけないで下さい!!
桐乃のご両親にあんな事があって、お兄さんと二人暮ししているってだけでも心配なのに、
よ、よりによって こ、こ、婚姻届を出したって・・・何を考えてるんですか!!?」
「え?あれ?その事を何で今更・・・?桐乃から聞いてなかったのか?」
そう尋ねると急に沈み込んだ様子で動きが止まった。
あやせと桐乃は親友だ。
裏の親友とも言える黒猫に話してたんだから当然知っていると思っていたが・・・
「お姉さんから聞いたんです。桐乃には――、桐乃からはまだ何も・・・」
これは意外だ。てっきりあやせには話をしてあると思っていた。それは麻奈実もだろう。
麻奈実はあやせとそれなりに付き合いがあるし、あやせが桐乃の親友という事も知っている。
だから当然知っているものと思って俺から聞いた話をしたんだろう。
「なあ、本当に桐乃からは何も聞いてなかったのか?
その・・・俺達が実の兄妹じゃなかったってことも?」
「・・・・・はい」
力なくうなだれる様子に俺はこの前の黒猫のことを思い出した。
「そうか・・・そりゃ腹立つよな。」
「わ、わたしは怒ってなんかいません!!
ただ、桐乃がわたしに何も話してくれなかったのが・・・」
わかる、今の俺ならわかるよ。大切な人の力になれない、頼ってもらえない歯痒さは、
この前黒猫が俺にぶつけてきた気持ちそのものじゃねーか。やっぱりいい友達だよあやせは。
「なあ、学校での桐乃の様子はどうなんだ?」
「―――怖いくらいいつも通りなんです。部活で以前より時間をかけられなくなったからって、
代表を辞退したことがあるくらいで、他は何も・・・」
「そうか・・・」
「お家ではどうなんですか?」
「何も。それこそ以前とほとんど変わらねーで俺に悪態ついたりしてるぜ。
強いて言うなら二人で家事を分担してやるようになったくらいだな。」
「―――お兄さんも凄く落ち着いてますよね?どうしてそんな平静でいられるんですか?」
「どうしてって言われてもな・・・」
人間ってキャパ以上のことが起きると逆に冷静になったりするんじゃねーかな。
パニックになるだけじゃ何も解決しないし、平静を維持するのは間違いじゃないだろ。
きっと桐乃も努めて平静に、出来るだけ以前と同じように暮らせるようにしてるんだと思う。
「本当にそうなんでしょうか?」
「・・・・・わからん」
そう言えば俺には黒猫と言う感情を吐露できる相手がいた。
桐乃の友人は多いが、全てをさらけ出せるような気の置けない友人はいるのだろうか?
俺の知る限り桐乃の一番の親友であるあやせにさえ話していなかったなんて・・・
ふと、この前沙織が言っていた言葉が頭をよぎる
―おそらくきりりん氏の心中は京介氏の比ではないほどに混乱されていると思われますし―
「桐乃には俺から言っておくよ、あやせが心配してたって。」
「―――はい。」
「学校での桐乃を頼む。あいつは素直じゃないところがあるからな」
「お兄さんに言われなくたってわかってます!」
「ははは、頼もしいな。それじゃ何かあったら教えてくれ――」
言うが早いか俺は家へと向かい始めた。
自然と足は早足になる。
心配するのは当然だろ!?
血が繋がっていなくたって、俺はアイツの兄貴なんだよ――
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