過去ログ - 【俺妹SS】俺と妹が夫婦なわけがない!
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◆NAZC84MvIo
[sage sage]
2011/03/22(火) 11:50:10.83 ID:EkvzDfKt0
「本当にいいんだな?後悔しないか?」
これが最後通牒だと言わんばかりに語尾を強めて確認する。
――コクリ、とゆっくり、しかしはっきりと頷く。
「じゃあ、もう遠慮はしねぇ」
俺は自分の欲望を隠すことなくそのままぶちまけた――
「―――ごちそうさま」
人間の三大欲求の1つが完璧に満たされた瞬間だった。
「食いすぎだ、お前は!!」
今、俺の目の前で怒鳴っている男は赤城浩平――同級生の友人だ。
今日はバイトの帰り、珍しく奢ってくれると言うのでありがたくその申し出に乗った。
「ふん、男に二言は無いんだろう?
大体この店でどんだけ頼んだって、たかが知れてるだろうが」
味よりもまず値段が売りの大衆居酒屋チェーン店だ、遠慮はしない。
だがこいつがこういう気遣いをしてくれるなんて珍しいっちゃ珍しい。
一体どういう風の吹き回しだ?
「お前とメシ食いに来たのも久しぶりだよな」
「そりゃそうだ。最近はほとんど家で食うようにしてるからな」
妹を一人ほったらかして俺だけ外食なんて出来るわけが無いだろ。
そんなことをしたら、自他共に認めるシスコン兄貴のコイツは俺を責めるだろう。
そういう奴だ。――だから俺が誘いに乗ったのは赤城にとっても意外だったらしい。
「今日は妹さんはいいのか?」
「友人の家に泊まりに行くって言ってたからな、大丈夫だ」
今ごろ桐乃はあやせの家にお邪魔してるハズだ。
この前の事もあるし、二人でゆっくり話す事も必要だろう。
「彼女はどうした?あの瑠璃ちゃん・・・だっけ?」
「ぐ、気安く呼ぶんじゃねーよ」
痛いところを突かれてつい棘のある口調になるが、赤城の疑問ももっともだ。
久しぶりに桐乃の心配をしなくて済む日だから、今日は黒猫と会うつもりだった。
「・・・・・なんか用事があるんだとさ、断られた。」
「あらら・・・」
「なんなんだよ?」
「いや、瀬菜ちゃんが心配してたんだよ」
「なんだって?」
瀬菜というのは赤城の妹で、腐女子だが巨乳メガネの可愛い子だ。
それが俺の心配だと?ふっ、モテる男は辛いぜ・・・。
「何か勘違いしてるみたいだが瀬菜ちゃんが心配してたのはお前の彼女の事だ」
「なんだよ、それ」
瀬菜と黒猫は部活の仲間で、共同でゲームを作ったりもした仲だから
気にかけないわけがないんだが、俺への心配はゼロかよ。まあいけど。
「お前あれから彼女と連絡取ったりしてるのか?」
「当たり前じゃねーか」
「そうか?瀬菜ちゃんが言うには彼女相当辛そうだって話だぞ?」
「そうなのか?」
「いや、俺が直接見たわけじゃないからハッキリ言えないけどさ、
瀬菜ちゃんあの子と結構仲良しだから心配なんだと思う」
「・・・・・・・・・・」
俺と黒猫が付き合い始めたのは去年の夏。
そろそろ一年近く経つが、その間恋人らしい事をした回数は意外と少ない。
俺の受験勉強も理由の1つだが、沙織と桐乃を加えて四人で会うことが多かった。
事故の後はそもそも時間的な余裕が無かったから、ほったらかしにしていたのも事実だが、
公園での一件以来、わりと頻繁に連絡は取り合ってるんだが・・・
ぐいっと残っていた日本酒をあおる。
そもそも黒猫は桐乃の友人でもあるんだから、家に来てくれたっていいはずなのに――
「まあ、大変なのはわかるけどよ。言うべき事はちゃんと言って吐き出した方がいいぜ」
「ああ、そうだけどな・・・」
――だけど何を誰に言えばいいんだ?誰に何を聞けばいいんだ?
「これ以上飲んでも悪酔いしそうだし、そろそろ帰るわ。妹によろしくな」
出来るだけ今まで通りの平和な日常を過ごしたい――
俺も、――アイツもきっとそう思って暮らしてるに違いないはずだ。
だけど新たに露呈した血の繋がりが無いという事実が、
それを蝕んでいるような気がしてきた――
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