過去ログ - 【俺妹SS】俺と妹が夫婦なわけがない!
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37: ◆NAZC84MvIo[sage sage]
2011/03/29(火) 00:03:15.81 ID:EXyNs+NL0
突然の休日に俺は、恋人と会うべく黒猫の家の前に来ている。
来る途中連絡はしたが、なにせ突然の訪問だ。待たされるのは仕方が無い。

「待たせてごめんなさい、入って」
「ああ、ありがとう」
黒猫の家に来るのも随分と久しぶりだ。
それどころか顔を見るのも久しぶりのような気もする、仮にも彼女なのに――

「妹たちは?」
「部屋で遊んでるわ、上の妹も少しは気が利く様になったみたいね」
「そっか」
黒猫に導かれるまま部屋へ向かう――
今までと変わらない構図なのに、空気が違うと感じてしまう。


「――それであの女の言う通りにここへ来たわけね」
「わりぃかよ」
どこか不満を感じさせるように溜め息をつきながらそう言った黒猫に対して
つい尖った口調で応えてしまったこのモヤモヤした気分の原因は自分でもわからない。

「それよりお前ら最近どうなんだよ、
 この前の沙織のパーティのことだって全然話題に出さねーだろ?何があったんだ?」
「・・・・・ねぇ、先輩はいつまでこのままでいるつもりなの?」
「このままって、何がだ?」
「その・・・・・あの女との契約の事よ」
―契約―つまり婚姻関係のことだろう。いつまで桐乃と“夫婦”でいるつもりなのか――
「一応、あいつが二十歳になるまでって考えてるけどな」
「なぜ?」
「仮にも兄貴だぜ?親が居なくなったら俺があいつの保護者だろ?
 せめてあいつが成人するくらいまでは一緒に居てやらなきゃダメだろ」
半分は本当で半分は嘘だ――半分は、俺がまだあいつの兄貴でいたいから。

「それは本当なのかしら?」
「――本当だ。それよりはぐらかすなよ、お前は最近、桐乃とはどうなんだ?」
「はぐらかしてないわ、大事な事よ。私とあの女との問題でもあるもの――」
まぁそりゃそうだ。
沙織の言う通り、今の俺と黒猫の関係は“不倫”と言われても否定しようが無いのも事実。

「もう少し待っててくれよ、出来るだけ今まで通りにしてるんだからさ」
「そんなことであの女との関係がいつまで持つかしら?」
「――どういう意味だよ?」
「今までと同じ事をしていても、今までと同じ関係なんて保てるはずが無いわ」
「・・・・・なんだよそれ」
「事象は常に変化し続けているのよ。全く同じ状態を保つなんて不可能でしょう?
 小さな水滴でさえ落ち続けていればいずれ岩の形さえ変えてしまうのよ――」

出来るだけ今までと同じように――俺も桐乃もそう思って過ごしているはずだ。
でもそれは無理なことなのか?思えば最近の俺たちの関係はどこかギクシャクしている。
幼い頃やお互いを無視しあってた頃、人生相談に振り回されていた時期のどれとも違う――

「――心当たりがあるのかしら?」
「うるせえよ」
言ってしまった後、後悔したが言葉は止まらなかった―
「言われなくたって今の状況が異常なことくらい俺にもわかってるさ!
 だけど俺は兄貴なんだよ!そういうふうに育ってきたんだ!今更変えられるかよ!」

俺はそう思っているのに、あいつは――桐乃は違うのか?妹だと思ってないのか?
いや、あいつは俺と“家族”であることを選んだハズだ!

「あなたはそうでもあの女は違うかもしれないわ!!」
涙をうかべながら訴えてくる――何が言いたいんだよ!

「違わねーよ!!」
「決め付けないで!!もっと考えなさい!!」

黒猫が何を必死に訴えているのか理解しないまま俺は

「お前まで桐乃の心配かよ!!」

最悪な捨て台詞と共に部屋を出て行ってしまった――


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