過去ログ - 【俺妹SS】俺と妹が夫婦なわけがない!
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49: ◆NAZC84MvIo[sage sage]
2011/04/02(土) 00:24:29.39 ID:Qob0tIfg0
prrrrrr… prrrrrr… prrrrrr…

コールの相手は沙織だ。どうにも訳がわからなくなった原因のひとつを
直接こいつから聞き出そうと思って電話することにした――

『はい』
「よう、沙織か?今大丈夫か?」
『ええ、大丈夫ですわ』
「あれ?どうしたんだその口調・・・」
『お気になさらずに。何か御用があってかけていらしたのでしょう?伺いますわ』

いつものバジーナ口調ではなく、いつかのお嬢様状態だった時の沙織だ。
どういう心境の変化なんだ?

「いや、なんつーかさ。お前らこの前3人で集まってただろ?」
『ええ、わたくしのお祝いにお二人に来ていただきましたがそれが何か?』
「あの時、黒猫と桐乃に何があったんだ?」
『ご本人たちに聞けば宜しいのではないですか?
 かたや恋人、かたや家族―。わたくしに尋ねる必要などない間柄でしょう?』
「・・・・・もしかして沙織怒ってる?」

いつものバジーナ口調ではなく素の槇島沙織のお嬢様口調。
しかしそれは親しさの現われでなく、今の沙織は
友人であるはずのバジーナでは無いという拒絶の現われに感じられた――

『わたくしは以前、申し上げていたと思います。
 「わたくしの大事な友人たちを悲しませたりしたら承知しません」と』
「・・・・・覚えてるさ」
『ではお望み通りサークルクラッシャーと呼んでさしあげますわ』
「勘弁してくれよ・・・」
こんな事を聞きたくて電話したんじゃない。あの二人の間で何があったのか?
それを知りたいだけなんだ――

「あいつらに聞いても何も言わねぇんだよ、頼む。教えてくれ」
涙声で懇願する。
そばに居るはずなのに――。
そばに居るつもりなのに――。
どうにも掴めなくなってる桐乃や黒猫との距離が、果てしなく遠くなっている気がして――

『――失礼しました。きりりん氏と黒猫氏を案ずるあまり少々きつく当たりすぎました』
「なあ、あいつらに何があったんだ?」
『・・・・・強いて言うなら、あの時は何も起きておりませぬ。
 以前なされたやりとりをまた改めてなされただけでござる』
「そうなのか?」
『はい。ただ拙者はその時初めて聞いたわけですが・・・』
沙織にも秘密にしていたようなことだったのか?一体なんだ?
あの二人の間でどんな会話があったんだ?だいたい一回目っていつの事だよ――

「教えてもらえないか?」
『――拙者から言うわけにはいきませぬ。やはりここはきりりん氏から聞いてくだされ』
「もう聞いたんだよ!だけどあいつは何も言わな――」
『1つ!!』
急に言葉を遮ってきた――

『1つ真剣に考えて答えを出していただきたい』
「・・・・・なんだよ」
『京介氏はなぜきりりん氏と婚姻届を出されたのですか?』
「今更何を聞いてくるんだよ」
そんなもの散々皆に説明してきた。
色々あるけど最大の理由は“法律上成人扱いしてもらう為の方法だったから”だ。
そんなこと沙織はとっくに知ってるだろう――

『その事についてきりりん氏と話をすれば、自ずと答えは聞けると思います』
「そうか・・・・・」
『ええ、そうです』
「わかったよ、そうする。黒猫にはお前からも話しておいてくれないか?」
『京介氏からも連絡は必ずなさって下さいね?』
「ああ、わかってるよ。それじゃな」

電話を切った後、ふと“その事”について疑問が湧いた――
俺と夫婦になる事について、桐乃はどう思っていたんだろうか?


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