過去ログ - 一方通行「打ち止めが反抗期なンだが」
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10:1◇620b77a5[sage]
2011/03/21(月) 02:20:30.83 ID:BX+EUQ6h0
二人の心境など察することなく白い父親気取りのバカは思い出しただけで欝になったのか悲鳴を上げてヘッドバットを再開した。

麦野が注文したアイスティーが揺れ、絹旗のホットココアが零れ落ちる。カップをひょいと持ち上げると二人はさっさとそれを飲み干した。

「机に超ヒビが入ってますよ」

「痛ェ」

「でしょうね。額切れてるし。血が出てるし」

呆れたと言わんばかりにため息をつき、麦野はポケットティッシュを取り出すと一枚手にとって一方通行の額に優しく当てた。

なんだか面白くない光景に絹旗はムッとする。

「まああの子だってもう中二でしょ? 反抗期なんて耐えてればすぐ終わるもんよ」

「経験者かオマエは」

「――って漫画に書いてあった」
「ダメじゃねェか」

落胆する一方通行を捨て置き、麦野はそそくさと店を出ようとする。

やはり以前まで家族として過ごしていた大切な少女に拒否されるのは辛いのだろうな、と絹旗も思わず同情しながら席を立ち。

「テメェら会計はどォするおつもりで?」

ガシリと第一位の白い手に腕を掴まれた。食い逃げ、よくない。

「さすが第一位。鋭い観察眼ですね」

「誰でも気づくわボケ」

一瞬ドキリとするもの、絹旗はすぐさま頼れる仲間の麦のんへと振り向いた。

彼女なら自分を救って食い逃げの共犯として逃亡の手助けをしてくれるだろうと期待をこめて。


しかし現実は無情である。


『ごめん見たいドラマの再放送があるから★』

丸文字で書きなぐられたレシートの裏紙がドアにはくっつけられていた。しかも★付き。☆ではなく★だ。ここ重要。

「麦野ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

「はァい可愛い可愛い絹旗ちゃンに問題でェす。今一方通行は何をしようとしているでしょォ?」

言葉と同時振り上げられる細腕。その手で掴んでいるのは絹旗が先ほど購入したB級映画『逃走野郎Fチーム』なるものの当日チケット。

テーブルの上に置かれているのは一方通行セレクトのオリジナルブレンドコーヒー、すなわちついたら最後絶対染み落ちないぜと言わんばかりの泥沼……!

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! それだけは、それだけはッッ!!」

「正解者には苦ァいアツアツお風呂を♪」






数分後、黒ずんだチケットを抱きしめて半泣きの絹旗とご満悦の白い最強の姿があったとか。


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