過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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122:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]
2011/06/06(月) 02:06:18.48 ID:E48WuV4go

「"kenaz"」

 その一言で、狭い路地を満たす色が一瞬で塗り変わった。
 薄い黒から鮮烈な赤へ。冷たかった空気も瞬く間に熱風に吹き飛ばされる。

「くっ!?」

 常人ならばまず回避不可能な、完璧なタイミングのカウンター。
 だが彼女は聖人だ。故に、余裕こそ無いものの完全に炎から逃れることに成功する。
 更に聖人の優れた感覚器官は、その魔術の本質をも看破する。

(……見てくれと熱気だけ? この炎が目眩ましならば、本命は!?)

 視線は前から上へ。
 そこで魔術師の目は、今まさに振り下ろされんとする長大な剣を捉えた。
 炎の中から伸びる十メートル以上の長さの『剣』。
 振り下ろされたのは、魔術師がそれを認識すると同時。

 左右は建物、上から両断する『剣』。
 常人ならば必殺必中の一撃。
 だが、聖人はこれにも応じた。

「ッ!」

 洩れた呼気に合わせて抜刀。
 閃光の如き速度で放つのは、十字教、仏教、神道の術式を束ねた結晶。
 互いの術式の欠点を補い合うことで完成された、全てを斬り裂く一撃。
 即ち、唯閃。




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