過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]
2011/06/06(月) 02:31:01.24 ID:E48WuV4go

「……、暴力は嫌いなんじゃなかったのか」

「呑み込む為に力を振るうから暴力なのです。私は抗う為に力を振るいます。誰かを貫く為ではなく、自らを貫く為に」

 それは、ずっと暴力の近くで生きてきた彼女の信念か。
 言ってしまえば自分勝手な理論だ。主観しか存在しない屁理屈。
 けれど同時に、そこには何一つとして偽りはない。正しさなど最初から求めてすらいない。
 故にフィアンマは、返すべき言葉を見失う。

「それで? まだ抵抗すると言うのならお相手しますが」

 その後ろから、聖人の声。
 首を回せば、聖人は再び黒鞘を構えていた。
 "聖人" 神の子の力の一端を振るう正真正銘の化け物。
 応ずるは、かつて神の如き力を振るった、しかし今はその力を丸ごと削がれた隻腕の魔術師。
 勝算は限りなく薄い。

「戦わないならどいてくださいまし」

 そして、少々特殊な、しかし所詮は両名と比べれば至って平凡で無力な少女。
 勝算などあるはずもない。
 ならば、フィアンマの選べる答えは一つしかなかった。




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