過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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142:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]
2011/06/06(月) 02:33:47.06 ID:E48WuV4go

「生憎とまだそれには足りないようだ。だから、抗わせてもらうぞ」

 奪うためではなく。
 奪わせない為に、フィアンマは左手を構える。

「罰を受け入れないと?」

「然るべき時がくれば受け入れるさ。だが、ろくに自らで贖いの形を探ることもなくただ受け入れるのも違うだろう」

 それに、とフィアンマは続けて、

「俺様の都合で、また世界を奪うわけにはいかないさ」

 左手を構える。
 正直、今のフィアンマはまともに戦える状態ではない。
 有象無象の魔術師程度ならば撃退出来る程度の力は保有している。
 が、あくまでそれは間に合わせだ。本来彼が所有しているはずの、莫大な力は断片しか取り戻せていない。

 それでも、負ける気はしなかった。否、負けるわけにはいかなかった。
 確かにあの日、彼はその力を失った。
 だがあのとき、彼は失った力以上に大きなものを確かに受け取ったのだ。
 彼と良く似ていて、彼とは似ても似つかなかった、誰よりも弱くて強いあの少年から。

 だから、負けない。



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