過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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148:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]
2011/06/06(月) 02:42:40.93 ID:E48WuV4go

「こんなことならば、最初から貴方に」

「もういい、黙れ」

「でも」

「似合わんことをさせるなするな。面倒だからもう止めてくれ」

 沈んだ表情で、それでも少女は頭を上げる。
 そのまま気まずい沈黙がその場を満たした。
 聖人は何も言わず、少女はただ目線を伏せ、フィアンマは重ねて息を吐きながら頭をかいた。
 本当に、こういうことは似合わないのだが。

「……乗りかかった船だろう。そもそも俺様はいつだって降りることが出来た、お前にどうこう言われる筋合いは無いよ」

 視線を横に逃がしながら、どこか突き放すようにフィアンマは言い放った。
 その台詞を受けて、少女はきょとん、と虚を突かれたような表情を浮かべる。
 彼女はそのまま小首をかしげ、

「……それって、励ましているつもりですの?」

 言って、笑った。
 言わせておいて笑うなとフィアンマは思ったが、そう言ったところで主導権を取り返せるとも思えない。
 何かもう、色々と諦めてしまえた。
 最早振り回されることにも慣れてしまったし。もうそれでいいかと、心のどこかで妥協してしまった。

 おかしなことに、それは笑みを伴う妥協だったのだが。




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