過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
1- 20
183:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]
2011/07/01(金) 01:51:35.90 ID:8PS7pdgco

 それは、彼がまだ幼く弱い少年だった頃の出来事。
 圧倒的な絶望が少女を呑み込み、少年は剣を手放した。

「その時にね、僕は一度絶望してしまったんですよ。僕には無理だって、彼女を見捨てようとした」

 それでも、愚かなことに少女は少年のことを信じ続けた。
 現実を見ればそれが裏切られるのは必然、だが愚かにも少年も少女を心から裏切ることが出来なかった。
 故に少女はただ信じ、少年はただ打ちひしがれていた。
 一人の傭兵が、その前に現れるまでは。

「最終的には例の傭兵の助けもあって彼女を助けられましたが、それは結果論ですし」

「……」

「僕は彼女を諦めようとしていました。いえ、あの傭兵がいなければ、確実に絶望して諦めていたと思います」

 情けない話ですけどね、と青年は笑う。
 仕方のないことだった筈だ。いくら歴戦の傭兵がついていようと、敵は強大で彼は無力だったのだから。
 それでも彼は悔いているのだろう、一瞬でも少女の信頼を裏切ってしまったことを。その笑みが、それを証明している。

「だから、全てが終わった後に彼女に謝ったんです。諦めかけたことも全部、正直に話して」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
414Res/270.92 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice