過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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269:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]
2011/10/04(火) 01:33:57.48 ID:VeVfGtm4o

 フィアンマがそう言って彼を見やると、青年は虚を突かれたようにぽかんとしていた。
 そして、何がおかしいのか軽く笑う。
 そっかそっか、と、

「いや、そうだな。確かに独り善がりというか、親切な言い方じゃなかった」

 一人で何か納得したように呟いた。
 怪訝な顔を作るフィアンマに、青年は穏やかな表情で言う。

「でもな、それがほぼイコールで俺の理由なんだよ」

「そんな昔のことを未だに引きずってるのか」

「まあ、そうとも言えるな。――捨てられない性分なんだよ、俺」

 言って、青年は手すりにもたれる。今度は正面を向いて、帳の向こうの景色を眺めるように。
 今は暗くてよく見えないけど、と前置きをしてから青年は暗闇を指差していく。

「向こうに川、その奥にも小さめのがある。そっちの方の木々は落葉樹だから秋は一斉に紅葉するな」

「それがなんだ」

「積雪は大体あっちから。春になればあっちには見事に花が咲くし、夏には向日葵、反対にそこらは」

「だから、それがどうした」

 遮るように言ったフィアンマの言葉に青年は軽く振り返って、

「俺らはここの地形なんかから魔術的記号を抽出して魔術を使うんだ。だから、ここらのことには一番詳しい」



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