過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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344:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/06/15(金) 23:40:36.16 ID:CypdjJ6do

「ややこしいからお前達は後回しだ」

「テメエ本当にふざけんなよ」

 しかしフィアンマは僅かに視線を寄越した程度で話を戻す。
 呼ばれていない少年の方が真摯な姿勢で彼らを見ていたくらいだ。

「こちらの要求が聞き入れられんのなら一暴れする準備もある。それで、どうなんだ」

 フィアンマが睨むのは少年達の方だ。
 睨むとは言っても、その眼差しは言葉とは裏腹に懇願するかのようなものだが。
 それを真っ直ぐに受けた少年は、大きく息を吐く。

「……良いさ。好きにしろ」

「おい、良いのかよ。俺たちを放っておいたら後々どうなるか知らないぞ」

「良いと言った。貴様ら如き、いつでも撃退出来る」

 驚くほどあっさりと、観念したかのように少年は踵を返す。
 少し戸惑っていた部下達に指示を飛ばし、薄明かりの面々に背を向けた。
 フィアンマがカーテナを下げる傍らで、青年はまだ納得がいかないように吼える。

「おい!」

「この地の平穏を取り戻すことが最優先だ。私達にそれ以外のことへ割く余裕は無い」

「俺達がその平穏を乱す因子にならないと何故断言出来る?」

「言うまでも無いだろうが、貴様らを信頼しているわけではない」

 少年は一瞬だけ立ち止まる。

「それでも、知っているからな」

 それだけ言って再び歩みだす。
 そのまま振り返ることなく、少年達は去っていった。
 背中で何かを語ることも無く、どこか自然に感じるほど静かに。




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