過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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(福岡県)
[saga]
2011/04/07(木) 23:24:52.18 ID:dEtouHOE0
「その頃の感覚?」
「……ロクでもない境遇でも、窓の外の景色は綺麗だったんだろう、ってね」
青年の視線が動く。
それを追って、フィアンマも窓の外を見る。
汚い景色だ。いや、景色と言えるほどのものですら無い。
路地裏の更に裏の、ゴミの掃き溜めのような風景。
「その景色だって、誰かが――」
その言葉は途中で怒声に中断される。
多数の人の気配と、喚き散らす聞き覚えのある声。
嫌な予感しかしねえな、との呟きと同時に、乱雑にドアが開け放たれる。
「……なんだ、また貴様か」
入ってきたのは、分かりやすく肥えた警官。
他にも数人の警官を従えていて、その内の数人が金髪の少年を捕らえていた。
どうやら赤毛の少年と顔なじみのようだが、どう見ても良い知り合いには見えない。
「ハッ。こっちの台詞だ、豚が」
「なる程。確かに豚だな」
豚の目がジロリ、とフィアンマに向く。
「なんだ貴様は」
「ただの道に迷った観光客だ、邪魔はせんよ」
「……チッ」
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