過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
1- 20
49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]
2011/04/16(土) 23:06:42.66 ID:jsJ9EfJ90

「……ほら、立てよ」

 赤毛の青年が深いため息の後に言った。
 手を差し出す。少女の眠るベッドに、背を預けている少年へと。

「時間がねえ。動くなら早いほうがいい」

 のろのろと、少年が顔を上げる。
 濁った瞳で、自虐的に笑った。

「動くって、何をするんだよ」

「何もしないつもりかよ」

「だから、何をするんだよ。どれだけ金稼いだところで、アイツ等に奪われて終いだろう?」

 馬鹿みたいだ、と少年が力なく嗤う。
 立てた片膝に腕をだらんと乗せて、握っていた拳も力なく開いて。

「当たり前だろうが。ルールを守らなけりゃ、ルールに守られることもない」

 そんな少年を暗い眼で見下ろして、青年は続ける。

「こんな場所で一から十までルールを守るのは馬鹿だが、守るべきルールもあんだよ」

 ルールを守らなきゃいけねえ時もあるしな、と青年は語りかける。
 それでも、少年は反応しない。
 青年の目を見ることもせず、ただ嗤っている。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
414Res/270.92 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice