過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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(福岡県)
[sage saga]
2011/04/16(土) 23:31:10.21 ID:jsJ9EfJ90
「そうだな、自己紹介をしていなかった。――俺様の名は、フィアンマ」
そのまま左手を、その手のルーンを高く掲げた。
「ローマ正教最暗部『神の右席』の要にして、赤と太陽と右方の象徴」
つまり、と言ってから、フィアンマはもう一度笑った。
誰よりも何よりも不敵に、右方は笑った。
「俺様そのものが、『神の如き者』の最大の媒体として機能するわけだ」
『神の如き者』――天使長ミカエル。
それが司る属性は『炎』
そんな知識は彼らには無かったかもしれない。
だが、彼らは瞬時にそれを理解した。
彼の手中のルーンから迸った灼熱によって、強引に理解させられた。
「なん……!?」
「っ!」
「どわっ!!」
ただ一枚のメモ紙から放たれた火炎は、流体の如く路地裏を嘗め尽くした。
閃光のように一瞬で、人の間を縫って駆け抜けた。
故に、その炎を直に浴びたものは誰もいない。
だがそれが巻き起こした熱風だけで、視界を埋め尽くした赤だけで、理解するには十分。
「もう一度だけ言うぞ」
彼の表情にもう笑みは無い。
ただ凄絶に豚共を睨み、右方は告げる。
「今すぐ消えろ。二度とここに現れるな。貴様を丸焼きにしたところで食えもせんのだからな」
豚のように鳴いた警官は、見た目よりも俊敏な動作で彼の景色から消えた。
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