過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]
2011/04/16(土) 23:31:10.21 ID:jsJ9EfJ90

「そうだな、自己紹介をしていなかった。――俺様の名は、フィアンマ」

 そのまま左手を、その手のルーンを高く掲げた。

「ローマ正教最暗部『神の右席』の要にして、赤と太陽と右方の象徴」

 つまり、と言ってから、フィアンマはもう一度笑った。
 誰よりも何よりも不敵に、右方は笑った。

「俺様そのものが、『神の如き者』の最大の媒体として機能するわけだ」

 『神の如き者』――天使長ミカエル。
 それが司る属性は『炎』
 そんな知識は彼らには無かったかもしれない。
 だが、彼らは瞬時にそれを理解した。

 彼の手中のルーンから迸った灼熱によって、強引に理解させられた。

「なん……!?」

「っ!」

「どわっ!!」

 ただ一枚のメモ紙から放たれた火炎は、流体の如く路地裏を嘗め尽くした。
 閃光のように一瞬で、人の間を縫って駆け抜けた。
 故に、その炎を直に浴びたものは誰もいない。
 だがそれが巻き起こした熱風だけで、視界を埋め尽くした赤だけで、理解するには十分。

「もう一度だけ言うぞ」

 彼の表情にもう笑みは無い。
 ただ凄絶に豚共を睨み、右方は告げる。

「今すぐ消えろ。二度とここに現れるな。貴様を丸焼きにしたところで食えもせんのだからな」

 豚のように鳴いた警官は、見た目よりも俊敏な動作で彼の景色から消えた。




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