過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]
2011/04/28(木) 03:45:37.03 ID:vlfBvtn50

 胸を張る少女を無視してフィアンマは対策を練る。
 とはいっても、出入り口は一つでそちらにはおびただしい敵勢力。こちらは二人。
 普通なら絶望的な状況だろう。が、いくら右腕を失ったとは言っても彼は神の右席だ。
 ただ武装しただけの人間など、百人だろうが二百人だろうが障害にはならない。正面突破も可能だ。
 だが、可能だからといって楽なわけではない。正直そんな面倒な手段は取りたくない。
 そもそもあまり派手に魔術を使うわけにはいかない事情もある。
 故に、彼はもう一つの道を選ぶ。

「おい、そのネックレスは金製だろう?」

「はい? そうですけれど」

「貸せ」

 怪訝な顔で差し出されたそれを受け取り、机の上に置いておいた塩の袋も持ち上げる。
 噛んで塩の袋を開け、それを持ったまま窓も開いた。
 もう一つの道。すなわち逃走である。

「飛ぶぞ」

 袋をひっくり返して、窓の下へ塩をぶち撒ける。
 一連の行動と言動に少女は訝しげな反応をしつつも、

「はい? まあいいですけど」

「今だけはその適応力に感謝しようか」

 突拍子の無い提案にもあっさりと従った。
 窓の下は川だ。死ぬことは無いだろうが、この高さから落ちて無傷で済むとも思えない。
 だが、まるで怯えることなく二人は同時に窓枠を蹴った。



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