過去ログ - 美琴「私が一万人以上殺した、殺人者でも?」
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301:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/11(月) 23:13:50.66 ID:WE46KEsMo
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「こんな所にいたのか」

 背中からかけられた声に少女が振り返ると、どこか居心地の悪そうな、でも心配そうに様子を伺う上条がいた。
 さっきの今だし、ぎこちなくなったり追い返されたりしないだろうか、等と不安になっているのだろう。
 しかし、そんな心配も杞憂とばかりに美琴は微笑み、ぽんぽんと自分が座り込んでいる地面の隣を手で叩いて座るように促す。

「ここ、ちょうど陽だまりになってて、あったかいのよ」

 草木が生い茂り、というより伸びるまま放置されたようなシェリー邸の庭は、そのせいか夏場にも関わらずひんやりとした空気に包まれている。
 そんな中、美琴が座っている周辺は日の光が程よく集まり、穏やかに吹く風とあいまって快適な空間を演出していた。
 躊躇しつつ少女の隣に座ると、なるほどこれならさっきまでの微妙な空気も晴れようものだと感じるほどの心地よさに、上条の波立つ心もみるみる凪いでいく。

「……こんなのんびりしてていいのかな」

 ぽつりと美琴がかすれた声で呟いた。

「多分、しばらくは大丈夫」

「そうなの?」

 答えが返ってきたのが意外、と言いたげに美琴が見て来たので、上条はなんだか照れくさくなり、頬を掻きながら視線をあさっての方向へ逸らした。

「この家さ。知り合いの魔術師のルーンの効果で、特定の手順を知っている人物以外には意識に入りにくくなってるのよ。だから、追っ手の奴らもしばらくは気付かない、と思う」

 風が一際強くなり、少女の髪をなぶる。その髪の先が上条の頬をかすめ、ふわりと漂う香りに上条の胸がドキリと大きく跳ねた。




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