過去ログ - 美琴「私が一万人以上殺した、殺人者でも?」
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/03/26(土) 14:29:27.25 ID:X5AOPpqso

 そう、上条は不良どもに囲まれていた少女を助けようと声を掛けたのではない。
 この目の前の一見子供で――中身も子供だが――それだけに余計に危険極まりない少女から不良どもを助けようとわざわざ気を利かせて声を掛けたのだ。
 命が惜しかったら、すぐにケツまくって逃げ出せ、とお節介なアドバイスをする為に。

 そしてその上条の涙ぐましい努力は、結局彼女の気まぐれにより全て灰燼に帰したのであるが。

「不幸だ……」

「だから、人の顔見てその態度は失礼だって言ってるんだよ!」

 プンスカと迫力の無い怒り方をしている少女だが、先程から言っているように、見た目と裏腹に少女は10人以上の不良どもとは比べ物にならないほどに危険極まりない存在である。
 薄水色のブラウスに白いスカート、羽織られたこれまた真っ白な薄手のカーディガンという服装はこんな夜中に一人で出歩くとすぐにでも暴漢に襲われかねない可憐な少女にしか見えないが、その胸元に掛かる特殊な形状の十字架は、見るものが見れば一瞬で顔を蒼ざめさせるであろう、魔神候補生の証である。

 魔神。

 それは、魔術を極めた結果、神の領域にまで達するものの事を言う。

 目の前の銀髪少女は、その域に達すると言われている天才魔術師。しかも彼女は見た目通り、小中学生程度の年齢で、その地位にまで登りつめた天才である。
 それは彼女の才能だとか、特異体質だとかも充分影響しているだろうが、それ以上に彼女自身の研鑽と努力の賜物である事だろう。
 そんな自信に満ち溢れた表情に、上条はしかし呆れた溜め息をみたび吐く。

「なんだってそんなお前が俺に付きまとうんだよ……」




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