過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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142: ◆lI.F30NTlM[sage saga]
2011/03/29(火) 12:22:12.67 ID:d0RfmdU0o
「ただいま〜」
「あれ?お母さん、もう帰ってこれたの?」
「ええ。お父さんに、『俺はいいから、早く帰りなさい』って言われちゃってねぇ〜。まあ、動けないわけじゃないんだし、後は看護師さんに任せてきたわ」

スーパーの袋を提げて帰ってきたお袋は、少し呆れた感じでそう言った。
親父も、いきなりのことで俺たちを心配して言ったのかね。今は自分の心配しとけっての。
買ってきたものを冷蔵庫に入れようと動き出した……ところで、お袋はテーブルの料理に気付いたようだ。

「あら、晩御飯作ったのね」

そう言って、サラダをひとつまみ。お袋、行儀が悪いぞ。

「へぇ、なかなか美味しいじゃない。今度から桐乃に作ってもらおうかしら」
「え?あ、あの……それは……」
「何言ってんだよ。それ作ったの、俺だぞ?」
「え!?」

俺の言葉を聞いたお袋は、それはもうわかりやすすぎるくらい驚いてくれた。桐乃といい、ウチの女どもは失礼なのばっかだな。

「あんた、料理なんて出来たの?」
「多少はな。サラダくらい、別に難しくないだろ」
「へぇ〜。じゃあ、こっちの炒め物は桐乃が作ったんだ?」
「それも俺だ」
「え!?」

お袋、わかりやすいリアクションをありがとう。だが、そろそろ控えてくれると嬉しい。
地味に傷付くからね、それ。

「じゃ、じゃあ!味噌汁ね!味噌汁は桐乃が作ったのよね!!」
「え……と……」
「それも俺」
「…………」

へんじがない。ただのおふくろのようだ。
しばらく呆然としていたお袋だが、意識が回復した途端、こう言いやがった。

「あんた、本当に京介?」
「親娘揃って失礼だな!?」

もうヤダこの家!田村さん家の子になりたい……。


ーーーーーーーーーーーー


それから二日が経ち、親父は家に帰ってきた。
とりあえず大丈夫なようだが、医者からは酒を控えるように言われたらしい。へへっ、ざまぁみやがれ。お大事にな。
お袋も入院初日しか病院には行かず、その後俺がキッチンに立つことはなかった。
家族四人で過ごす、いままでとなんら変わらない日常がまた訪れ、高坂家は至って平穏である。

ただ、一つだけ変わったことがある。
俺が晩飯を作った次の日から、桐乃がキッチンに立ってお袋を手伝い始めたことだ。
どういう心境の変化だろうね。
そんな桐乃に俺が苦しめられる事件が起こるわけだが、それはまた別の話だ。


おわり


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