過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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19: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:32:20.15 ID:4SRjOM3Xo

俺とあやせは遊歩道を並んで歩きながら、あやせが指差した花の名前を俺が答えるといった、
どうでもいいような会話を延々と続けていた。

「このピンク色の花は?」
「それは、かたくりの花だよ」
「……もしかしたら、片栗粉ってこの花から作るんですか?」
「昔はそうだったらしい。でも、今はじゃがいもから作ってんだろ」

あやせは俺が花の名前を答えると、その都度感心したり、答えに詰まると嬉々として喜んだ。
ついにはタンポポまで指差して、俺に名前を聞いてくる。
タンポポを知らん人間なんていねえだろと思いいつつ、それでも答えてやった。

「あやせ、その花がタンポポ以外の何に見える?」
「あっ、そうですよね。……でも、花の名前に詳しい男の人って、なんか素敵ですよね。
 きっと、将来何かの役に立ちますよ」
「なわけねえだろ。おまえ、俺のことからかってんだろ」

俺があやせの頭を軽くコツンと叩くと、あやせは肩をすくめて舌を出した。
花の名前に少しくらい詳しくたって、将来役に立つことは多分ねえだろうけど、
あやせの機嫌を直すことには役立ったようだ。

その後も俺たちが、学校のことなど他愛もない会話を続けながら遊歩道を歩いていると、
前から保育園児たちが二人ずつ手を繋ぎながら、列を作って歩いて来た。
保育士らしき女性が二人、園児の列を前後に挟むようにして引率している。
園児の列が俺たちの横を通り過ぎる時、園児の一人があやせに向かって手を振った。
あやせは満面の笑顔で、手を振ってそれに応える。
園児たちが全員通り過ぎてしまってから、俺はあやせに声を掛けた。

「あやせって、見るからに小さい子供が好きみたいだもんな。
 やっぱ、将来は保育士とか幼稚園の先生が夢か?」
「うーん、まだそこまでは考えてないんですが、でも、子供は大好きですよ。
 お兄さんは、将来結婚したら子供は何人くらい欲しいんですか?」

返答に詰まるような質問をしてくるんじゃねえよ。


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