過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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◆Neko./AmS6
[sage saga]
2011/03/27(日) 16:35:54.87 ID:4SRjOM3Xo
あやせは顔を真っ赤にしながら、俺の手からオニギリを取り上げようとした。
俺はそんなあやせには構わず、形の崩れたオニギリを口へ運んだ。
さっきまで俺が食っていた三角形のオニギリと、何ら味に変わりはないはずなのに……
何十倍も美味く感じるのは何でだろうな。
「お兄さん、無理しないでください。……そんな形が崩れたのなんて……」
胸がいっぱいで、噛んでも噛んでも、なかなか飲み込むことが出来なかった。
もう目にゴミが入ったなんて誤魔化すことは出来ない。
いや、少なくともあやせには、そんな誤魔化しはしたくねえ。
「なあ、あやせ……」
「何でしょうか? ……もしかして、まだ目にゴミが残ってるんじゃないんですか?」
「いや、そうじゃないんだ。……なあ、俺にあんまり気を使わないでくんねえか。
あやせが作ってくれたもんなら、俺は何だって喜んで食わせてもらうから、な。
それにさぁ、以前のあやせだったら、俺にこんなに気を使わなかったじゃねえか。
気のせいかも知れんけど、何か最近のあやせって、おかしくねえか?」
最近俺があやせに感じていた疑問を、思わずストレートにぶつけちまった。
だってそうだろ。今日だって、先日のホワイトデーにバレンタインのお返しを
あやせに渡せなかった代わりっていうのが発端だったはずだ。
それも約束したディズニーシーなんかじゃなくて、地元の県民の森公園だってのに。
それにもかかわらず、あやせは俺のために弁当まで作って来てくれた。
俺は聞かずに置こうと思っていた最大の疑問を、ついに口にした。
「おまえ、俺のこと、好きなの?」
「好きですよ」
突然の俺の問い掛けにも、あやせはそれを予想していたかのように平然として答えた。
しばらく逡巡するかのように、膝の上で絡めた指先を弄んでいたあやせは、
俺の視線を避けて遠くを見つめながら訥々と話し始めた。
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