過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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◆lI.F30NTlM
[sage saga]
2011/04/02(土) 01:05:06.43 ID:i1LYuYF3o
黒く、暗く、重い帳が世界を支配している。
月と星の光だけがそれに抗うが、この絶対的な闇の前ではそれも儚く、弱く、脆い。そんな夜だった。
とある洋館の一室。
この広大な空間は、常ならば華やかな社交の場として、多くの紳士淑女が集い、絢爛な舞踏会が催されていたのだろう。
だが、今は違った。煌びやかな照明も、豪華な食事も、美しいワルツも、何もない。
あるのは闇。月明かりすら入ってこないほどの闇だけだ。
その中に、光が浮かび上がる。この部屋の中央に、青白い炎がぼうっと。
吹けば消えそうな炎はふらふらと彷徨い、ゆらゆらと舞い上がり、天井付近でパンッと弾けた。
光が部屋全体に満ち、それを合図に全ての照明が点く。
そこには四人の少女がいた。
真紅のドレスを纏った、輝くようなライトブラウンの髪を持つ少女。
この夜を切り取ったかのような漆黒のドレスを着た、黒髪の小柄な少女。
真白いドレスとは対照的な、濡羽色の長髪を持つ少女。
茶色いドレスを着慣れていないのが丸分かりな、短髪の眼鏡を掛けた地味な少女。
少女達はお互いの姿を確認し、それぞれ違う表情をする。
ある者は、この場にいる人物に驚き、
ある者は、親の仇を見るような目をし、
ある者は、誰をも魅了する笑みを浮かべ、
ある者は、困惑の表情を浮かべていた。
そこに新たな登場者が現れ、少女達に声を掛ける。
「やぁやぁ、各々方。お揃いのようですな」
その声もまた、少女のそれであった。
大柄で均整の取れた肢体にタキシードを纏い、シルクハットとステッキを身に着けた、男装の少女。
一つだけ言うことがあれば、それだけ見事な格好をしているのに、その瓶底眼鏡はいかがなものかということだけだ。
「忌々しいピエロのお出ましね。わかってはいるけれど、一応、今回集められた理由を訊いておこうかしら」
漆黒のドレスを着た少女が、汚物でも見るような視線を男装の少女に向けながら訊ねた。
冷たい視線など意に介さず、男装の少女は答える。
「黒猫氏はせっかちですなぁ。いいでしょう、お答えします」
男装の少女は、ダンスホールに設けられた二階席の手摺に足を掛け、トンッと宙を舞い、ホール中央に着地した。
ステッキをくるくると回し、さながら舞台俳優のような大仰な仕草をしながら、少女は話し始める。
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