過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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◆lI.F30NTlM
[sage saga]
2011/04/02(土) 01:05:37.49 ID:i1LYuYF3o
「今宵はワルプルギスの夜。神に叛く魔力的諸力が増大する日でござる。よって魔女の皆様には、この場にて雌雄を決してもらおうという所存」
「はぁ?なんであたし達がそんなことしなくちゃいけないワケ?意味わかんないんですケド」
抗議の声を上げたのは、真紅のドレスを纏う少女だった。
疑問と嫌味をない交ぜにした声を聞いても、男装の少女の飄々とした態度は変わらない。むしろ心地よさげですらある。
「ふっふー。嘘はいけませんな、きりりん氏。古来より、この地に棲む魔女達によって決められたしきたり。その末裔であるあなたが知らぬはずがない」
「チッ!」
真紅の少女は舌打ちをし、そっぽ向いてしまった。こんな場でなければ、年相応の可愛らしい仕草と言えるだろう。
代わって、真っ白なドレスを着た少女が訊ねる。
「高い魔力場を形成するこの地の支配権。それを決めるんですよね?」
「いかにも。あやせ氏の言う通りでござる。もっとも、支配権とは名ばかりで、
この地に安定と安寧をもたらすよう魔力を操作する役を決める、と言った方が正しいですな」
「なら、わざわざ争う必要は無いんじゃないかな?」
疑問を呈したのは、眼鏡を掛けた地味な少女。
それを聞き、男装の少女は困ったように肩をすくめた。
「それがそういうわけにもいかぬのですよ、麻奈実氏。このしきたりには、この地の魔力に実力を示す意味合いもあるのです。
つまり、相応しい者を戦いにて見極めなければならない」
「要は、弱い者になんか使われたくないのでしょ。御託はいいからさっさとはじめなさいな」
そう結論付けたのは、漆黒の少女。先程からずっと不機嫌な様子である。
「黒猫氏の意見もごもっとも。要は、最も強い魔女を決めるのですからな。そして監督役は、拙者、沙織・バジーナが務めさせていただきまする」
儀式の説明と自己紹介を終えた少女――――沙織・バジーナは、右足を引き、右手を体に添え、左手を横方向へ水平に差し出すというヨーロッパ式の礼をした。
その直後、沙織の頭上から黒い刃が幾十と降り注いだ。
ズガガガガガガッ!
刃は大理石の床を砕き、ホールの一角を無残な姿に変えた。
「これはこれは、ずいぶんと嫌われましたなぁ」
いつの間に移動したのか、沙織は二階席の手摺の上に立っていた。
漆黒の少女は舌打ちをし、沙織に向き直る
「とっとと失せなさい、糞兎。ハンプティ・ダンプティになりたいのなら、別に止めないけれど」
「ふふ、怖い怖い。では拙者は、安全な場所にて行く末を見守りましょう。皆様、良い舞踏を……」
沙織はシルクハットを頭上に掲げ、手を離す。
シルクハットは重力に従い、床に落ちた。
そこにはハットだけが残るのみで、沙織の姿はなかった。
「相変わらず、憎たらしい兎ね。ずっと不思議の国に引きこもってればいいものを……」
漆黒の少女の悪態は、空しく響いた。
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