過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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◆lI.F30NTlM
[sage saga]
2011/04/02(土) 01:09:06.47 ID:i1LYuYF3o
「こっ……のおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
桐乃は捨て身覚悟の蹴りを放った。あやせはそれを一刀で受け止め、もう一刀で桐乃を狙う。
だが、桐乃は蹴りを受け止められた反動を利用し、あやせから距離を取った。
15mの間を空けて見つめ合う少女達。
「まさか……これも捌かれるなんてね」
「同じ手は、もう通用しないよ。桐乃」
あやせは二刀を構え、不敵に笑う。勝利を確信したように。
しかし桐乃の顔には、まだ諦めの色は浮かんでいなかった。
「獲物を前に舌なめずり。三流のすることね」
「なんですって……?」
あやせの顔から笑みが消えた。
この期に及んでも、まだ諦めない親友。一体、何をしようというのか。
あやせの心に疑念が広がる。
「あたしは負けない……絶対に!!」
瞬間、桐乃の姿が消えた。それは、つい先程の再現。
だが、あやせに焦りは無い。落ち着いて行動すれば、相手の攻撃を防げることは実証済みだ。
(桐乃……。ごめんね)
意識を集中させながら、あやせは心の中だけで詫びた。
自分の勝ちは揺るがないという絶対の自信と、親友をこの手に掛けてしまうことへの自責の念。それらをない交ぜにして。
だが、彼女にも譲れないモノがあるのだ。だから覚悟した。命を奪うことを。愛しいあの人の、大事な人の未来を奪うことを。
……音がする。桐乃の動く音が。
呼吸を整え、反撃の機会を待つ……。
「殺(と)った!!」
あやせは頭上に小太刀を掲げた。
ガキィンッ!!
金属がブチ当たるような音が響く。
あやせは勝利を確信し、もう一方の小太刀を振るった。
「!?」
だが、そこに桐乃の姿はなく、あやせの斬撃は空を斬るのみ。
無防備となったあやせの腹に、衝撃が走った。
「がっ!」
上空に吹っ飛ばされたあやせ。防御の構えを取る暇もなく、次の攻撃が飛んできた。
上、下、左、右、前、後ろ……。
全方位から衝撃が飛来し、あやせを容赦なく襲う。白いドレスは破け、血に染まり、無残な姿をさらした。
「これでえええええええええええええええええっ!!」
床に落ちることも許されず、空中に投げ出されたままのあやせの目の前に、桐乃が現れた。
縦に何回も回転し、必殺の踵をあやせの体に放つ。
桐乃の踵はあやせに直撃し、あやせはようやく、地面と再会を果たした。
十数秒前とは違い、その姿は見るに耐えないものとなってはいたが……。
あやせはなんとか立ち上がろうとするも、ダメージが大きく、足が言うことを聞かない。
「はぁっ……がはっ……。桐乃……あれが……全力じゃなかった……んだね……」
ヒューッ、ヒューッ。
あやせは呼吸すらままならないながらも、そう呟き、親友の姿を見る。
桐乃は、親友のそんな姿を悲しげな表情で見つめていた。
「今……楽にしてあげるね……」
桐乃は右足を前に出し、膝を曲げ、中腰になり、その足の上に右腕を置くという構えを取った。
右足に纏っている魔力鎧が、より一層輝く。
輝きはそのままに、桐乃は飛んだ。高く、高く。
空中で一回転すると、あやせに向けて流星の如き飛び蹴りを放った。
(あーあ、負けちゃった。やっぱり、桐乃には敵わないなぁ……)
あやせは、自身の敗北と死を覚悟した。
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