過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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◆Neko./AmS6
[sage saga]
2011/04/03(日) 18:00:11.17 ID:qUKwgnJSo
桐乃に会うために遥々アメリカまでやって来た俺は、飛行機を降りてからというもの、
かれこれ一時間もの間、ここロサンゼルス国際空港のイミグレーションで足止めを食っていた。
アメリカ人の入国審査官の英語はとにかく早口で、何言ってんだか俺にはさっぱり分からねえ。
仕方がないんでスーツケースの中身を全部広げて、俺は危険なもんなんか持っちゃいねえって
身振り手振りで示したんだが、目の前の白人の大男は首を横に振るだけで全く埒が明かない。
そんな俺に同情したのか、俺の後ろに並んでいた乗客が助け舟を出してくれた。
「オマエ ニッポンジンアルカ?」
「い、いえ〜す。あいあむ、じゃぱに〜ず」
俺に声を掛けてくれた、その親切な人はどうやら中国人のようだった。
どんなに聞き取りにくい片言の日本語でも、今の俺にとっちゃ地獄に仏とは正にこのことだ。
その人の話によれば、入国審査官は俺に入国の目的を聞いているらしかった。
だったら初めっからそう言ってくれればいいじゃねえか。
英語でベラベラと捲くし立てやがって……って、初めからそう言ってたのか。
「え、えーと……さ、さいと し〜ん おーけい?」
修学旅行の時とは違い、初めて一人での海外旅行に初っ端から舞い上がっていた俺は、
あらかじめ親父が海外での注意事項を記してくれたメモのことなんかすっかりと忘れていた。
メモを見たら、イミグレーションでは必ず入国目的を聞かれるって書いてあるじゃねえか。
要は仕事で来たのか、それともなきゃ観光目的なのかを答えればいいだけだ。
何とか俺の拙い英語が通じたのか、大男は笑顔で俺のパスポートに入国スタンプを押してくれた。
「Have a nice trip」
「さ、さんきゅ〜」
俺はカウンターに広げた着替えだの桐乃への土産だのをそそくさとスーツケースに押し込むと、
入国ゲートの外で先程俺に親切にしてくれた中国人を待った。
人から親切にしてもらって置いて、礼も言わずに行っちまうなんて出来るわけがねえだろ。
ましてや桐乃以外に知り合いもいねえ、日本語も全く通じねえ外国だったら尚更だ。
古いって言われるかも知れんけど、俺の親父ならきっと同じようにしたと思う。
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