過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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27: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:37:34.06 ID:4SRjOM3Xo

「あやせ、ちょっと聞いてもいいか? もし言いたくなけりゃ、それでも構わんから」
「何でしょうか、聞きたいことって」
「あやせは初恋っていくつの時だった? さっきも言ったけど、答えなくてもいいけどさ」
「別に恥ずかしいことじゃありませんし……
 たしか、小学校四年生の時、同じクラスの男の子でしたけど、
 何となくカッコいいなぁと思いました。……でも、それがどうかしたんですか?」

俺にも同じような経験がある。
そのくらいの年齢になると、誰にも同じような想い出があるんじゃないだろうか。
ちょうど第二次性徴が始まる時期に、男子も女子もお互いに異性を意識し始めることが。
でも、それと初恋は違うものだと俺は思っていた。

「あやせがどう思うか分かんねえけど、それは初恋とはちょっとだけ違うと思うんだ。
 別にあやせの言ったことを否定する気はねえから、でも、気に障ったらごめんな」
「気に障ったりはしません。小学生の時の話ですから。
 ただ、お兄さんが何を言いたいのか、わたしには分からなくて……」
「そっか、俺の言い方が足りなかったよな。……怒らないで聞いてくれるか?」
「……はい」

いつの間にあやせと恋の話になっちまったのか、分かんねえけどな。
穏やかな春の日差しと、桜の木の下というシチュエーションが、俺をそんな気にさせた。
あやせに、いや、あやせだからこそ聞いて欲しいと思ったのかも知れない。
しかし、あやせとこの手の話をする時には、言葉は慎重に選らばねえとな。

「俺が思うに、あやせの初恋って、今なんじゃねえか?」
「……どういう意味ですか? 今って」
「上手く説明する自信がねえけど、とにかく怒らないで最後まで聞いてくれ、な」

あまりにも突拍子もないことを俺が言うもんだから、
当のあやせは、きょとんとした顔で俺を見つめるだけだった。


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