過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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271: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/04/03(日) 18:02:43.94 ID:qUKwgnJSo

アメリカで高額紙幣が敬遠されるなんて、親父の書いてくれたメモにもなかった。
大体100ドルなんて日本円にしたら一万円にも満たねえ額じゃねえか。
それでも相手が受け取らないって言ってんだから、仕方がねえけどな。
運転手さんは良い人みたいだし、何も俺に嫌がらせをしているわけでもなさそうだった。
その証拠に、銀行までの往復料金はサービスしてくれるって言うしな。

「ココ バンクアルヨ エクスチェンジ スルヨロシ。
 オマエ マヌケアルカラ オレ ツイテイクヨ」
「……何から何まですんませんね。あと、運転手さん、あんたどこで日本語覚えたんだよっ」

運転手さんに連れて来てもらった銀行は、俺が知っている日本の銀行とはかなり趣が違っていた。
銀行の行員と客との間にある衝立は天井に届くかと思われる程高く、
そのくせお金をやり取りする部分は必要最低限なんだろうか、極端に小さい。
幸いなことに客は少なく、カウンターには先客が一人しかいなかった。
俺は何の気なしに、その客の後ろに並ぼうとしたらいきなり運転手さんが叫んだ。

「オマエ ニゲルアルヨ! ソイツハ ゴトウアルヨ!」
「……後藤さん?」

運転手さんが後藤さんと呼んだ人は、後ろ姿を見ても明らかにアメリカ人なのにな。
俺が後藤さんの後ろに並ぶと、後藤さんは驚いた様子で振り返った。
驚愕の表情で俺を見据えながら、何やら早口の英語で捲くし立てる後藤さん。
全く聞き取れねえじゃねえか。

「後藤さん、すんません。英語だと何言ってんだか分かんないんすけど」

俺が頭を掻きながらそう言うと、後藤さんは俺の目の前に何かを突き付けた。
いきなり目の前に突き付けるもんだから、焦点が合わず一瞬何だか分かんなかった。
黒っぽい金属で出来たような……何だこれ?


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