過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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515: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/04/17(日) 20:42:40.06 ID:tbBN9wvGo

俺のことを“お兄さん”と呼ぶヤツは、俺の知る限り一人しかいない。
桐乃の裏の親友で、俺の友達でもある黒猫が俺をからかって呼ぶ時は“兄さん”だし、
本来そう呼ぶべき実妹の桐乃に至っては、俺のことなんか“あんた”だもんな。
それでも、何度かは“兄貴”って呼んでくれたこともあるけど……

「あの、マネージャーさん、この近くに公園はありませんか?」

桐乃がかつて俺のことを“兄貴”と呼んでくれた日のことを想い出していたら、
俺はブリジットが目の前にいることも忘れて、しばらくの間、感傷に浸っちまった。
あいつも、小さい頃は素直でいいヤツだったのになってな。
今頃あいつは俺のことなんかすっかりと忘れて、アメリカの空の下で頑張っているんだろうよ。
目の前のブリジットと桐乃が重なって見える気がして、俺は慌ててかぶりを振った。

「公園に何か用でもあんのか? 
 ……喫茶店にいるのに、わざわざ公園のトイレってわけでもねえもんな。
 そういや、電話でも公園で待ち合わせしたいって言ってたけど」
「マネージャーさんにご相談したいことが、少し広い場所じゃないと……」
「まあ、ブリジットちゃんがそこまで言うなら……」

モーニングセットのコーヒーを啜りながら、俺は秋葉原の地図を頭の中に広げた。
しかし、何度も来たことのある場所とはいえ、電器屋かゲーム屋、それ以外にはブリジットと
加奈子も出演したコスプレ大会が開かれた、秋葉原UDX周辺くらいしか思い浮かばねえ。

「……上野なら……上野公園なら、そんなに離れてもねえか」
「あっ、上野公園ならわたしも知っています。たしかパンダさんのいる所ですよね」
「そりゃあ上野動物園は公園の中にあんけど、パンダが見たいわけじゃねえよな?」

上野公園と聞いて、ブリジットの眼が俄かに輝いた。
秋葉原から上野公園までなら、歩いたところでほんの一キロ足らずのもんだ。
俺がブリジットを小脇に抱えるか、肩に担いで歩いて行ってもいいんだけどな。
そうすっと俺は上野公園に着く前に別の所へ連れて行かれそうなんで、
今回は電車で行くことにしたんだ。
喫茶店での朝飯を済ませ、俺とブリジットは再び秋葉原の駅へと向かった。


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