過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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◆Neko./AmS6
[sage saga]
2011/04/17(日) 20:44:15.58 ID:tbBN9wvGo
上野公園の中は、どこを見渡しても桜が満開に咲き誇っていた。
桜の木の下でビニールシートを広げ、花見の準備をする中高年のグループや、
小さな子供を連れた若い夫婦が何組も眼に映った。
しかし公園が広いせいか、駅前ほど人の多さは気にはならない。
「――で、俺に相談ってのはどんなことだ?」
「はっ、はい……それが、その……とっても言いにくいことなんですけど……」
顔を赤らめて、モジモジと身体をくねらせ言い淀むブリジット。
かっ、可愛いいじゃねえか。
これで十歳っていうんだから、世の中どうかしてんじゃねえのか。
やっぱ、このままブリジットを小脇に抱えて……なんていう妄想を無理やり払いのけ、
近くの自販機で二人分の飲物を買うと、俺は適当なベンチを指差して言った。
「あの辺に座ってから、ゆっくりと話を聞こうか、なっ」
俺には、ブリジットが緊張している様子が手に取るように分かる。
ブリジットが外国人でいくら発育が良いとはいえ、所詮はまだ小学生だ。
親父さん以外の男と二人きりになるなんて、今までなかったんだろう。
ベンチに座ってから、俺は先ほど買ったオレンジジュースを手渡してやった。
可愛い小さな手でプルトップを開けるのに苦労しているブリジットを見ていると、
俺の理性が崩壊しそうになってくる。
「俺に貸してみな、開けてやっから」
カシュッという音と共にプルトップが開いて、俺は缶をブリジットに返した。
「マネージャーさんって、お姉さんが言っていた通り、本当に優しい人なんですね」
「――誰が言っていたって?」
「あっ、え、えーと……事務所の先輩のお姉さんです……」
事務所の先輩といっても、あの加奈子が俺のことを褒めるわけはねえ。
第一、ブリジットと加奈子とは歳の差こそあれ、言ってみれば同期みたいなもんだ。
そうなると、俺の頭にはたった一人のヤツしか思い浮かばねえ。
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