過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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557:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]
2011/04/18(月) 21:12:04.88 ID:xdevEnjL0

「うーんと………正式には、『優しくて頼れるけどちょっと抜けてるお兄ちゃん』かな?」
「おい!何でわざわざ『ちょっと抜けてる』足したんだよ!?
 で、でも……お前、俺のことそんな風に………」
「…実はあたし、もちろんルリ姉も好きだけど……ウチにも優しいお兄ちゃんがいたらいいな〜、なんて思ったことあったんだよね。
 ほら、ウチって男の人いないでしょ?
 そしたら高坂くんが来て…。ルリ姉だけじゃなくて、あたしや珠希とも仲良くしてくれて。
 あたし、ちょっと嬉しかったんだ。
 珠希も言ってたよ?『おにぃちゃん、やさしくてだいすき!』って。」
「日向………。」

今の日向はマセガキじゃなく、普通のかよわい小学生の女の子だった。
言ってることがからかい目的じゃないのは、鈍い俺でもわかる。
だってこいつのこんな姿は、今まで見たことなかったから。

「二人の邪魔はしないようにするからさ。だからこれからも………ルリ姉ばっかりじゃなくて、ちょっとはあたし達にも構ってね?
 その………たまに甘えたりしてもいい?」
「ああ、わかったよ。俺でよかったら、えーっと……い、いつでも甘えてくれていいんだぜ?とにかく、これからもよろしく頼むな。」


こいつが俺のことをそんな風に思ってくれてたなんて…悪い気はしない。っていうか、結構嬉しい。
これからは黒猫だけじゃなく、義妹達へのサービスもちょっと多目にしてやろうかな?
むしろ、日向と珠希も連れてデートに行ったりするのもいいかもしれん。

…っと、そんなことを考えながら、俺は当然のごとくこう思っちまったのさ。
俺の義妹がこんなに可愛いわけが……「それじゃ、早速甘えちゃおっかな?」……………って、なんだって???

決め台詞を途中で打ち切られて消化不良気味、且つ突然の申し出に驚く俺に、日向は速攻でずうずうしく“甘えて”きた。
そのニンマリした顔つきからは、さっき抱きついてきたしおらしい印象は微塵も感じられない。

「実は今ね、珠希が幼稚園のお友達の家で遊んでるんだけど…ルリ姉から、あたしが迎えに行くようにって言われちゃったの〜!
でもさぁ……あたし、これから見たいテレビあるんだよね…。
…ってことで高坂くん、あたしを送ったら、今度は珠希を迎えに行ってきてくれない?」
「………はあっ!?」
「ダメ?ちゃんとわかりやすい地図あるし、ここからそんなに遠くないよ?」
「……………。」
「お願いします!“お兄ちゃん”!!!」
「わかったよ!行きゃいいんだろ行きゃあ!!!」
「やりぃ〜!やっぱり高坂くんは頼りになるぅ〜!」

…これも日向だ。うん。こういうとこもひっくるめて、俺の義妹なんだ………。
これからこいつと長く付き合っていくには、こういうのにも徐々に慣れていかなきゃダメなのかな?

「ほら、そういうことならちょっと急ぐぞ!だって、珠希が待ってるかもしれないんだろ?」
「あ〜待ってよ高坂くん!速い!速いって!」

この悪天候の中を再び遠出する覚悟を決めた俺は、ひとまず“第一任務”を果たすために五更家へと足を速めた。
義妹の――日向の手を引きながら。

(終わり)

…ん?なんか忘れてる気がするんだけど………気のせいかな?




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