過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福井県)[sage saga]
2011/03/27(日) 22:07:40.39 ID:VzcOF4WKo

「あの、私も高坂さんにプレゼントを。その、いつもお世話になっているお礼です」
「え?いや、そんなに気を使わなくても……」
「わ、私も!受け取ってもらえないと困ります!」
「ありがとうございます!!」

ここまで言われたら、受け取らんわけにはいかんでしょうよ!け、決して加奈子の剣幕に圧されたわけじゃないんだからねっ!ホントだよ?
俺は受け取った包みを眺める。なんか、さっきとは逆だな。
加奈子は俺の様子をまじまじと見つめている。声には出さないが、「早く開けてください」という念がひしひしと伝わってくる。ぐっ……!なんだこれ?
俺は丁寧に包装を剥がし、中に入っていた箱を開けた。

「ネクタイ、ですか」
「はい。その、気に入らなかったですか……?」
「い、いえ!決してそのようなことは!スッゲー嬉しいっす!ありがとうございます!!」

加奈子さん、そんな捨てられた子犬のような目で俺を見ないでください。
けど、嬉しかったのは本当だ。加奈子から送られたネクタイは、華美なものではない。青を基調としたシンプルなものだ。これなら、普段使いにも適しているだろう。

「本当にありがとうございます。早速、明日着けてみますね」
「はい!」

ネクタイを鞄に仕舞い、俺たちは揃って事務所を出た。駅までは一緒なので、二人並んで歩いていく。
いや、これは「並んで歩く」と言っていいのかね?だって加奈子のヤツ、スゲー自然に腕を絡めてきたんだよ。

「あの、来栖さん?」
「いいだろー、別に」

あ、こりゃ駄目だ。だって昔の口調なんだもん。
こういうときの加奈子って、普段と違ってスッゲー我侭なんだ。俺が「離してくれ」って言っても聞かないね、うん。

「あのさ……」
「ん?」

俺が心の中だけで溜息を吐いてると、加奈子が声を掛けてきた。さて、次はどんな我侭が来るのかね。

「その……、これからもよろしくな」
「え?いや、その……」
「きょ、京介は加奈子のマネージャーなんだからよぉ!これからも加奈子さまのために働けよ!」

な、なんて理不尽なんだ……。我が家の妹もかくやと言うレベルの理不尽さ。パートナー云々に関して説教したかなかなちゃんは、一体どこに行ったんでしょうか?
そして、何故呼び捨てなんでしょうか?
でも、なんだ。そんなことはさ、今さら言われるまでも無えっての。だって、俺は加奈子のマネージャーなんだからよ。
仕事モードの加奈子なら、我侭を聞いてやらんでもない。

「当たり前だろ。今さらだな、それ」
「うっせー。オメーは加奈子さまの言う事聞いてりゃいいんだよ」

返事をしたら、なぜかそっぽを向かれてしまったでござる。何が悪かった?口調か?口調なのか?お前に合わせたのにそりゃ無えよ……。
ま、何を言われても、俺はこいつのために働くけどな。やれやれ、我侭なタレントの担当はつらいねぇ。おまけに有望なタレントだから始末が悪いぜ。
こりゃ、これからも忙しくなりそうだな。だからと言って、辞める気は無いけどよ。
俺のマネージャー生活は、まだまだ波乱が起きそうだ。そう思ったよ。


おわり


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