過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
1- 20
612:『会いたくなっちゃった』[sage saga]
2011/04/24(日) 01:05:31.91 ID:EukJvy5/0

《D.加奈子》

ったく…こんな時間に誰だよ?少しは俺の迷惑も……………って、加奈子からだと?
だったら仕方ないな。あいつに人の迷惑なんて考えられるワケねえし…。

「もしもし?」
『もしもし京介?つか電話に出るのおせーよ!もうちょっと早く出られねーワケ?
…ところでオメーさ、今すぐ加奈子に会いてーだろ?』
「…は?」

相変わらずムチャクチャなヤツだ…。こんなヤツとそこそこ長く付き合ってるなんて、自分でもスゴイと思うぜ。

『しょうがねーから会ってやるヨ!今から特別にウチに来させてやっから、さっさと準備しろよな!』
「お、おい!お前いきなり何言って…」

…そうか、わかったぜ。こいつ、こんな時間だってのに俺に会いたくなったんだな?まったく、素直じゃねえけど可愛いヤツだ。
どうするかって?もちろん会いに行ってやるさ。
でも…いつものワガママの仕返しに、ちょっとだけからかってやろうかな?ちょっとだけ。

『出来るだけ早く来いよ?か、加奈子だってそんな暇じゃねーんだからサ!』
「…いや、明日も早いし、今日は遠慮しとくよ。」
『はあっ!?加奈子がわざわざこんな時間からオメーに会ってやるって言ってんのに、その優しさを受け取らねーってのかよ!?』
「俺も眠いんだよ。じゃ、おやす…」
『ま、待てよテメー!そ、そんなこと言うんだったらなぁ……か、代わりに他の男呼んでやっかんな!
加奈子と一緒に夜を過ごしたがってる男なんて山ほどいるん…』
「そうか。んじゃ、今夜はそいつらと楽しく過ごせよ。それじゃ、俺マジで寝るから…」
『きょ、京介ぇ…』

…さてと、悪ノリはこのくらいにしてくか。
実のところ、俺はこうして加奈子と電話をしながらすっかり外出準備を整えていた。
普段偉そうにしてるこいつも十分焦ってくれたみたいだし、そろそろネタばらしといこうかね。

「…なーんてな。冗談だよ。今からそっちに行ってやるから少しの間………」
『………ばか。』
「…え?」
『テメー、そんなに…そんなに加奈子に会いたくねえのかよぉ………』
「か、加奈子…?いや、今のはほんの冗談で………」
『も、もういい!テメーとなんか、京介となんか…一生会ってやらねえかんな!!この…バカ野郎!!!』
「いやっ、だから話を聞………ガチャッ!」

俺の弁解も虚しく、加奈子は俺に罵声を浴びせて電話を切ってしまった。
心なしか最後の方は涙声だったような気がする。

その後何度か電話をかけても、加奈子はいじけているのか出てくれない。
ほんの悪戯心だったのに、すげえ申し訳ないことをしちまったな。
やっぱり、慣れないことはするもんじゃねえってことか…。


加奈子に会いたい。いや、こうなったら絶対会わなきゃいけねえ。

その一心で、俺は急いで家を出た。


(加奈子編・終わり)



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/717.08 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice