過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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689: ◆lI.F30NTlM[sage saga]
2011/04/27(水) 02:06:18.10 ID:nM3F6G8yo
「しょうがねえな。ほれ」
「んぅ……」

俺はポケットからハンカチを取り出し、桐乃の口を軽く拭いてやった。
桐乃は顔を赤らめたまま、俺にされるがままだ。黒猫と沙織はそんな俺達を、ニヤニヤしながら眺めている。

「おし、取れたぞ」
「ん……。ありがと」

ありゃ? 文句の一つでも言われると思ったが、礼が返ってきたぞ。コイツ、調子でも悪いのか?
俺がそんな失礼なことを考えていると、黒猫が声を掛けてきた。

「ねえ、さっき聞いた夢の内容。本当にメルルが出てくるものだったのかしら?」
「な、何言ってんのよ!? 当然でしょ。そんなことで嘘つく理由なんかないじゃん」
「本当にそうかしら?」
「あんた、何が言いたいワケ?」

さっきまで和やかな空気だったのに、なんでいきなり一触即発な状態になるわけ? 全く訳がわからないよ。
どうしてこの二人はすぐに口論になるんだい?
桐乃は黒猫を射殺さんばかりに睨みつけているが、黒猫の方はそんな桐乃の視線はどこ吹く風という感じだ。

「別に。ただ、貴方が見た夢の内容に、まだ登場してない人物がいるのではと思っただけよ」
「はん。妄想も大概にしときなさいよ、クソ猫。ま、一応聞いてあげるわよ。その出てきてない人物って誰よ?」
「決まってるじゃない。貴方の大好きな大好きな……お兄さんよ」

黒猫は桐乃に質問に答えて、俺に意味深な視線を寄越してきやがった。
おい、そこで俺に振るな。沙織も口元をωにしてニヤけるんじゃねえ。で、桐乃はと言うと……。

「ふ……ふ……」

なにやら小刻みに震えてやがる。
ヤバイ。何がかはわからんが、とにかくヤバイ。とりあえず、今は桐乃から距離を取った方がいい。俺のゴーストがそう囁いている。
桐乃から離れるため、俺が席を立とうとした瞬間……、

「ふざけんなぁぁぁぁっ!! そんなことあるワケないでしょうがぁぁぁぁぁぁっ!!」
「あいたぁぁっ!!」

桐乃が振り降ろした拳が、俺の脳天にクリーンヒットした。



おわり


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