過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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786: ◆NAZC84MvIo[sage sage]
2011/05/01(日) 17:05:59.49 ID:fomMeBZw0

そして夏休み――
今日、俺は東京ビッグサイトそばの国際展示場前に来ている。

最近、桐乃が構ってくれないと愚痴るあやせの付添だ。
今日はここで撮影があったのだが、モデルは現地集合で現地解散ということで、
一人であやせを行かせるのに反対した俺が荷物持ちとしてついて来たのだ。

撮影は順調に進み、午後から雨という予報だった天気も持ちこたえてくれた。
雨が降り出す前に帰りたいものだが、このビッグサイトの混みっぷりは何なんだ?
いくら東京といってもこんなに人がたくさんいるのは初めて見る――
しかも何か異様な恰好をした連中もちらほら見かける。何かのイベントだろうか?
何の気なしに見渡していると見覚えのある奴が目に飛び込んできた――

「・・・あれ、桐乃じゃねーか?」
「え?あ、本当だ!ねぇ桐乃〜!!」
あやせはそのまま駆け出して行った。

「あは、やっぱり桐乃だ。やだ、なに、どうしたのー?」
「あ、あやせっ!?」
「ウソぉ、嬉しー。待ち合わせした訳でもないのに偶然会っちゃうなんて。すっごいよね!
 わたし達見えない絆で結ばれてるのかも・・・あ、わたしなんかストーカーみたいなこと言ってる?」
「う・・・ん!すっごい偶然・・・!」
喜色満面ではしゃいでるあやせと違って桐乃は見るからに困惑している。
そもそもこいつは一体ここで何をしていたんだろう?
ふと、周りを見るとひときわ目立つ“いかにもオタク”と言った感じの
ぐるぐるメガネをかけた背の高い女と、ゴスロリファッションに身を包んだ少女がこちらを見ていた。

「な、何か用か?」
「失礼しました。ひょっとするときりりん氏のお知り合いですか?」
「き、きりりん氏!?」
なんだそりゃ!?
いや、おそらくその音の響きと状況から察するに桐乃のことを言ってるんだろうが、
こんな奇妙な呼び方をする奴を実際に見たのは生まれて初めてだ。

「あ、あいつの知り合いかってことか?それなら答えはYESだ。
 いま桐乃と話してる女の子の兄だよ。妹は桐乃の友達なんだ。君達もそうなのか?」
目の前の女の子達からあやせ達の方に視線を移すと、
桐乃がこちらをやけに気にしているように見えた――

「い、いえいえ!違います!どうやら人違いだったようで失礼いたしました!」
慌てふためいた様子で手をぶんぶん振ると、そのままそそくさと離れていった――
何事?桐乃は少し安堵したような、まだ困惑してるような微妙な様子だ。
以前家で見かけた時の落ち着き払った態度とかけ離れている。
よく事態が呑み込めないまま、俺はあやせ達に近づく――





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