過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage]
2011/03/28(月) 19:40:32.93 ID:gqKd6v2y0


『お昼休みは恋人と』


「ウチの教室の外にすげえ可愛い子がいたぞ!」


昼休みになってから少しして、購買から戻ってきた俺のクラスの男子が若干興奮気味にそんなことを言いながら入ってきた。
それを聞くと、他のヤツラも何かに理由を付けて教室から出て行く。
無論、テキトーな言い訳をつけて教室から出て、その子を一目でも見ようと企んでいるのである。

「マジだ!可愛い!」「誰かの彼女?」「いや、ウチのクラスにそんな甲斐性のあるヤツなんて…」
「ありゃ多分俺らの学年じゃねえな」「何年の子だろう…」

帰ってきた連中の間からこんな声が聞こえてくる。
そこまで言われちゃ俺も気になってきちゃうじゃないか。

どれどれ、そんなに可愛い子がいるなら、俺もちょっと拝ませてもらおうかね。

そう思って俺は『購買に行ってくるぜ宣言』を行った。
たとえ自分に彼女がいたとしても、「可愛い子がいるぞ!」と言われれば見たくなってしまうのが男の性だ。
それは俺も例外じゃない。

若干ドキドキしながら教室の戸を開ける。
すると、確かにそこには噂に違わぬ美少女が立っていた。


雪のように白い肌に清楚な顔立ち。
均整のとれた体型に艶のある長い黒髪。
これなら皆がドキッとしたのも頷ける。

しかしその子を見た瞬間、俺は皆とは違う意味でドキッとしてしまった。
いや、確かに可愛いが、コイツは――


「…く、黒猫!?」

そう。
皆さんのお目当ての可愛い後輩とは、他でもない俺の彼女だったのだ。
今日は何故か赤い巾着袋を両手で大事そうに持っている。

自分の彼女が友達から高く評価されていたことを考えると嬉しいやら気恥ずかしいやら。
だが、今はそんなことを気にしてる場合じゃない。
俺は慌てて周りの視線でガチガチに固まって俯いてしまっている黒猫に近付いた。

「や、やっと現れたわね…」
「おい!お前、こんなとこで何やってんだよ!?」
「何って……」


「なっ!?高坂が“あの子”と普通に話してるぞ!?」

この、驚きを全く隠しきれていない大声によって、俺たちの話は一時中断されてしまった。

気がつけば何かすごく注目を浴びてしまっている気がするんだが…。
まあ…そりゃそうか。話題の彼女が同じクラスの男子と話してりゃな。
それにしても、この空気は無理だろ!は、恥ずかしすぎる………

「と、とにかく、ここじゃマズいから移動するぞ!」
「ちょ、ちょっと!」

雰囲気に耐えられなくなった俺は急いで黒猫に小声でこう告げると、その手を引いて足早に教室を離れた。





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