過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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◆Neko./AmS6
[sage saga]
2011/05/03(火) 20:31:36.08 ID:fK0gY2ago
そうだよ、新婚だってのに、あやせとの新居が用意できなかったんだ。
俺の実家で、俺の両親と一緒に暮らすという選択肢は初めからなかった。
何しろ実家には、妹の桐乃がふてぶてしく居座っているんだからな。
もしも、俺の実家であやせとの新婚生活を始めようと思えば、
当然のこと、今までの俺の部屋が俺たち夫婦の部屋となるわけだ。
考えてもみろよ、隣の部屋には桐乃がいるんだぜ。
あやせとも話し合って、しばらくは彼女の家に厄介になることとなった。
一人娘のあやせを両親も、特にお袋さんの方は手元に置きたかったようだしな。
つまり俺は、サザエさんのマスオさん状態なわけさ。
執務室の重い扉を押し開けると、あやせのお袋さん、じゃなくてお義母さんは、
机の上の書類から眼を離し、無言で応接セットのソファーを指し示した。
口元に上品な笑みを浮かべてはいるものの、目が笑ってねえ。
俺は軽く会釈をしてから、ソファーに浅く腰を掛けた。
「京介さん、毎日お仕事ご苦労様です」
「い、いいえ……ぼ、僕なんか新人ですから、まだ右も左も分からなくて……」
「まあ会社勤めというものは、そういうものよ。そのうちに慣れるわ。
……ところで、たしか今日は、京介さんの初めてのお給料日だったわね」
「は、はい、給与明細はこちらに――」
「いいえ、別に私に見せる必要なんてないのよ。
京介さんの通帳は、娘のあやせが管理しているのだから……そうでしょう」
何なんだよ、このプレッシャー……。
サザエさんのお袋さんのおフネさんは、マスオさんにもっと優しいじゃねえか。
まさかこの先、毎日の帰宅の挨拶に加えて、給料日イベントが加わるんじゃ……。
だけど、あやせと結婚できたんだから、これしきのこと我慢しなけりゃいけねえよな。
頑張って仕事して給料も上がれば、俺もアパートくらい借りられるようになるだろうし。
「京介さん、そろそろお夕食にしましょうか」
「は、はい。……それでは、僕は着替えてから食堂へ参ります」
あやせとの夢のような新婚生活を期待していた俺が甘かった。
それもこれも、俺に甲斐性がねえのが原因だから文句も言えねえけど。
俺の救いは、今も変わらぬあやせの天使のような笑顔と……言わせんな恥ずかしい。
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