過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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900: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/05/03(火) 20:37:48.44 ID:fK0gY2ago

子供が生まれたら、いくらなんでもこの部屋じゃあ狭過ぎるよな。
せめて、もう一部屋は欲しいところだ。

「ところであなた、桐乃があなたのこと、とても心配していましたよ。
 ……あのバカ兄貴、もしかしたら無理してるんじゃないかって。
 わたしも、最近あなたが働き過ぎじゃないかって、とても心配なんです」
「そんなことねえって、誰だってこれくらい働いてるさ。
 俺、もっと頑張って働いて、もうちっとマシなアパート見つけっから、な」
「あなた、わたしはそんな贅沢なことは望んではいません。
 わたしが望むことは、いつもあなたがわたしの側にいてくれる、それだけなんです」

どこかで聞いたことのある台詞だったが、そんなことはどうでもよかった。
俺はあやせの笑顔が見られるなら、それだけで頑張ることができるんだ。
最近は仕事が忙しく、残業続きで疲れが溜まっているのは自分でも分かるんだがな。

「あっ、俺も買いたいモンがあるから、あやせと一緒に行くよっ」
「……あなた、言ってくだされば、わたしがついでに買ってきますけど」
「あやせのお腹の中には、俺たちの大切な赤ちゃんがいるんだからよぉ、
 俺だっておまえのことが心配でしょうがねえんだ、察してくれよ。
 すぐに支度すっから、ちっとばかし待っててくれ、な」

そう言って、俺は腰掛けていたドリームラブチェアから立ち上がった。
しかし、立ち上がった途端に血の気が引くような感覚に襲われ、
すぐにそれは急激な落下感へと変わった。
奈落の底へ突き落とされたような暗闇の中、全身を伝わる激しい痛み。
まさか、働き詰めの俺の身体に、何か異変が――

あと数ヶ月で、俺とあやせの赤ちゃんがこの世に生まれて来るんだ。
俺はまだ、死ぬわけにはいかねえんだよ。
もっともっと働いて、あやせと生まれて来る子供を幸せにしてやらなくちゃ。
近くで俺を呼ぶ声が聞こえる。……俺は、一体どうなっちまうんだ?
くそう、身体が動かねぇ……。


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