過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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◆NAZC84MvIo
[sage saga]
2011/05/04(水) 00:01:55.02 ID:iWfXVOwW0
「京介氏もお人好しでござるなぁ」
「沙織ほどじゃねぇよ」
今日、俺は桐乃の家に来ている。メンバーは俺と桐乃のほかに黒猫と沙織――桐乃の“オタク友達”だ。
あいつをフォローする訳ではないが、桐乃のオタク趣味は妹モノのエロゲーだけじゃない。
女の子向けのアニメ『星屑うぃっちメルル』の大ファンでもあるのだ。
今日はそのアニメの良さを教える為に鑑賞会を開くということで4人が集まった。
兄妹の恋愛モノが好物の桐乃は、俺みたいな兄貴が欲しかったと言って何かにつけ俺を引っ張りまわす。
さっき言った通り、あやせのことを取引材料にしてな。
だが悪いことばっかりじゃなかった。桐乃に振り回されてオタクの集まりに何度も顔を出した俺は、
オタクという連中が世間で言われているような奴らじゃないってわかってきた。
そりゃあ率直に言って変な奴らだよ。でもな、悪い奴じゃあないんだ。
好きなものに夢中になってるだけの、そんな連中だったんだよ。こんな集まりを開くくらいにな。
「そうね、こんな低俗なアニメの鑑賞会に付き合うというだけで、私も沙織も十分お人好しだわ」
「はぁ〜?あんたまだメルルの良さがわかってないの?どんだけ厨二病こじらせてるのよ」
「あら?あなたこそマスケラを見てもまだその考えを捨てないなんて、どこまでもお子様なのね」
「なんですってぇ!?」
「まあまあ、せっかく今日は京介氏もご一緒ですので、それぞれのアニメの良い点だけを語り合おうではありませぬか」
――この調子だ。
最近わかった事だが桐乃と黒猫はよく好きなアニメのことで討論する、そして大体ケンカになる。
だが決して仲が悪い訳ではなく、お互い『好きなものは譲れない』というだけで、実はむちゃくちゃ仲がいい。
「で、あなたはどちらが面白いと思ったのかしら?」
「・・・俺はもともとこういうのに興味無いんだからわかんねーよ」
「ふう・・・、それならあなた何のためにここに来たのかしら?相変わらず妹の為?」
「それ以外に何がある」キリッ
「シスコン変態バカ兄貴」ボソッ
「お前が言うんじゃねーよ!!」
「可哀想に・・・この女のせいで愛しの妹君との仲を引き裂かれてしまったのね」
「くぅっ・・・!お前はわかってくれるのかっ!?」
「ええ、だから私が代わりに妹になってあげてもいいわよ?・・・兄さん」
「やっぱりからかってるだけだなお前もっ!」
万事この調子だ。
桐乃も黒猫も同じように俺を兄貴呼ばわりしてからかいやがる。冗談もほどほどにしろってんだ!
・・・だが、少しありがたいというのも事実なんだよなぁ。
あやせが口をきいてくれなくなってもう2ヶ月以上が経つ。
季節と同じように俺の心が冷え込んできてるのを、かろうじて食い止めているのがこいつらの賑やかさだ。
なんだかんだで桐乃はあやせの様子を逐一教えてくれるし、今日みたいな集まりに引っ張り出されては
こいつらの世話を焼くことで、かろうじてあやせに手を出さずに済んでいる。・・・変な意味じゃないぞ?
妹の為に何かしてないと落ち着かない俺は、もともと結構な世話焼き体質だったみたいなんだ。
そこらへんがあやせたんと同じなのも、きっと仲のいい兄妹だからに違いない!ああ、違いないとも!
「はぁ・・・もういいよ、実際お前ら手のかかる妹みたいなもんだしな・・・」
「兄貴もわかってきたじゃん!ご褒美にメルルのDVD貸してあげる」
「いらねーよっ!!」
「いいからいいから!せめてタナトスちゃんが出るまでは見ないと絶対損だって!!」
――こう言われて俺は桐乃から無理矢理押し付けられたメルルのDVDを家に持って帰るハメになった。
だが、わざわざ見る必要なんて無いだろう?別に興味なんて無いんだから。
だからこのDVDは、俺の部屋のベッドの下のダンボールで眠りにつくことになったのだ――
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