過去ログ - 哀川潤にうってつけの日 【戯言バナナフィッシュ】
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(茨城県)
[sage]
2011/03/29(火) 19:52:23.09 ID:LlZ4UAcio
水平線から押し寄せてくる波の勢いは、先ほどよりも強くなっているらしく、
押し寄せては子供たちの作った小さな砂の城の一部を奪っていった。
昼に近づいているためか、空から降り注ぐ光線も強くなって、
足元の砂を焼いている。そんな太陽の真下で遊ぶ観光客たちは、
彼とはまったく別世界に住んでいるといった様子で、それぞれの
関心事に力を注いでいた。隣には真っ白なパラソルの下で、まだ年端も
行かないような若い女性が、連れの男性にしきりに大声で話しかけている。
相手もそれをわかったというように大げさにうなずいて、作り物のような
笑みを浮かべる。そして話題がなんだったか分からないうちに、
まるで二人の間に秘密を共有されたといった風に、互いに下品な
大笑いをし始めた。そんな様子がビーチのあちこちで行われている中、
シーモアは依然として空を眺めているようであったが、依然として
その眼差しに光はなかった。まるで彼自体が、どこかの美術館から
砂浜まで運ばれてきた、等身大の彫刻といった具合である。そんな中、
ふと突然、シーモアの顔の上に細長く黒い影が差した。しかし彼は
それに気づかなかったのか、口をせわしなく動かしているだけで、
依然として身動きひとつとることはなかった。
影の主はすぐそれに気づいて、彼に話しかけた。
「祈ってんのかい?」
女性の独特な、低い声が響く。
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