13:>>1[saga]
2011/03/28(月) 21:40:00.48 ID:gJVBoKdj0
二日目。
登校中、前を行く冬森さんに気がついた。知らぬ仲でもないのでなんと無しに声をかけたのだが、逃げられてしまった。
こちらを振り向くこともしない。多分、声だけで顔と名前が出てくるほど僕を覚えていないのだろう。
男の声で自分の名前が呼ばれたというだけで恐怖の対象らしい。
多分、僕もそんな感じだ。無理も無いので、気にせず進めることにする。
発足のとき以来、教室で話したことはまだないぐらいだし。
あの時僕に話しかけてきたのも、春野さんに監督されているからというのが大きいだろう。
彼女と僕、それぞれが体験してきた傷や経験というものはそう簡単には塞がらなく、時折こういう場面として壁として現れる。
しかし、一つの共同目標が掲げられている今、それを乗り越える必要があるのである。
……それにしては、文化祭までという期間は少しばかり短いような気がする。大丈夫だろうか。
問題大アリなような気がするんだけど。まぁ、今気にしてもしょうがないか。
とりあえずは、目標の達成まで努力することが肝心である。
「よう、秋川」
「おはよう、夏原」
いつもの筋肉が登場してきた。朝からムキムキで愉快な仲間である。
この辺りで喧嘩を売ってはいけない人ランキングのベスト10には入るだろう彼は一体どこへ向かおうとしているのやら。
その筋肉で何をしようってんだろう。
「失礼なことを考える奴だな」
「その読心もやめてほしいものだけど」
「それにな、お前が筋肉無さ過ぎるんだ。俺と走るか?」
「殺人です」
「お前なぁ」
足からぐっちゃり行くね。骨の細さも脆さも自覚がある。体力の無さに到っては誇れるほど。
思わず威張っちゃうね。非力さ世界チャンピオン。
「まぁいい。さっさと行くか。物理、小テストだったろ」
「ああ。そういえばそうだった。困ったね」
「そんなこと言いながら毎回点は取るんだから、嫌味な奴だよ」
「それはどうも」
嫌味な奴といわれてもどうしようもない。そんなにいい点を取ると言うわけでも無いんだけどな。
物理、あんまり得意じゃないんだよね。
結局、教室に入ってからも冬森さんと会話することは無かった。
当然、大体は彼女の近くにいる春野さんとも同様だ。部活、大丈夫だろうか?
少し不安になってきた。なるようになるしかないのが現実ではあるが、この壁じみたなにかを取っ払う必要があるのもまた事実だ。
歩み寄りの姿勢が重要であるハズなんだけどね。
僕はまだ冬森さんがどこか怖いし、彼女もまた同様だろう。つくづく、難儀なことだ。どうしたものかね。
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