173:当然の帰結3 ◆hwowIh89qo
2011/10/23(日) 21:03:50.74 ID:zDIKKfku0
今思えば、よくここまでやってこれたと思うものです。
冬森雪花という、ひどく矮小で、おどおどした少女は、男性に対する嫌悪感と恐怖感を強く抱いていました。
それなのに、共学の高校に進んだのは、何の冗談なのでしょうか。
……もっとも、すでにそれは解消され、今では恋人がいるぐらいでは、あるのですが。
「……それは、なんというか……その」
「雪花。言いたいことがあるなら、ちゃんと言えばいいのよ?」
そういいつつ、ぐりぐりと私の頭を拳骨で固定している金髪のこの人は、私の友人の、春野都子さんといいます。
……一年生の時からの、私の大切な親友……い、痛いです。
「いたた……その、思っていたより、早いなって」
「私好みだったからね。夏原君は」
ようやく開放されました。夏原君……夏原智一君というのは、私の恋人の、秋川秀一君の親友で、逞しい体格の、少し古風な男のひとです。
彼は、つい先日、春野さんの恋人となったようです。……告白したのが、春野さんからだと聞いたときは、多少なりとも驚きましたが。
「もう、キスまでしたのよ?」
「ほ、本当、ですか……?」
あの、私達、そこまでいくのに結構な月日を必要としたんですけど。
……それとも、これが常識的な進行なのでしょうか? ……ふしだらです。
やっぱり、最近の若い人というのは、テレビや雑誌で取り上げられるように、ふしだらで不謹慎です。
「あんた達が純情すぎるだけじゃ……」
「悪いことでは、ないかと」
純情、結構なことじゃないですか。むしろ美点ではないでしょうか。過ぎるもヘッタクレもないに違いないです。
「……ま、皆幸せなら、それでいいかもね」
「そうですね。進行速度は、違っていてもいいと思うんです。でも、個人的には不潔かと」
「もう一回いっとく?」
遠慮しておきます。
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