28:>>1[saga]
2011/03/29(火) 20:07:05.55 ID:NprJWFFv0
そんなこんなで、数時間が経過した。
日が長くなってきたとはいえ、いい加減暗くなってきた。まだ学校に残る生徒たちは運動部だけだろう。
もっとも、厳しいことで知られる陸上部はまだまだこれからが本番である。彼らの熱血に敬意を払いつつ、僕らは帰ることにした。
春野さんは僕らが帰るより結構前に帰っている。
彼女は一般の家より門限が厳しいだとかで、冬森さんを家に送っていきたいのはヤマヤマだがヒステリックな母親の声は聞きたくないということらしい。
そんなわけで、その任はどういうわけだか僕にお鉢が回ってきたのである。
そりゃ、冬森さんみたいな人が一人でいるのはとても危ないだろうケド、僕がいたところで獲物が二匹に増えるだけだと思う。
被害者数をカウントするなら僕がいたほうがひどい結末になるというどこか矛盾じみたことすら発生してしまいそうだ。
だというのに、当の冬森さんときたら何やら嬉しそうな様子で顔に微笑をたたえている。
不安になれないウサギは真っ先に食べられてしまうのが相場というものだが、もうここまできたからには僕も腹を括るしかない。
夏原を呼ぼう。あとで、こっそり。こういうときでこそ彼との共利共生の関係というものは発揮されるのである。
生まれついてのソルジャーに任務を与えるのはまさに今だ。
もっとも、今この場で呼ぶのはあまりに僕がかっこ悪いのでやめるけど。僕にだって張りたい見栄はある。
冬森さんの前(そして冬森さんは僕の敵たる女の子である)で張る意味があるのかどうかは脳の片隅に追いやっておくが。
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