47:>>1[saga]
2011/03/31(木) 21:00:55.26 ID:fHikxmWh0
時間の巡りは早く、積んだゲームは全然崩れない。
仕上げていない絵を仕上げたり、ゾンビの頭を吹っ飛ばして喜んでいる内にどんどんと時間は過ぎているのである。
そんなこんなで、時間を無為にしながら今日まで過ごしてきて。今日が約束した活動日である。今日は夏原や春野さんの乱入は休みにまでくる必要が彼らには無いので見込めない。
完全に二人きりでこなさなければならないわけである。今までも似通ったようなものだったが、どちらかの乱入の可能性が必ずしもゼロというわけではなかった。
今回は完全なゼロなわけで、自ずと緊張もしようと言うもの。学校へ向かうこの足がいつもより重く、鈍く感じるのも自然なものだろう。
しかし気揉みしていても現実は変わらない。変わらないので、今日も頑張ることにする。
元気良く走る運動部員らとすれ違いに校門を潜って昇降口、靴を履き替えて、宛がわれた我等が部室に。
鍵が開いていたので、すでに冬森さんが来ているらしかった。まだ開始予定時刻より10分も前なんだけど。
「おはよう、冬森さん」
「おはようございます、秋川君」
とりあえずは入って、挨拶。鞄を適当なところに下ろしていつもの画材用具を取り出す。
冬森さんはすでに机に向かってお話を書いている真っ最中であるらしい。物語もそろそろ中盤から終盤へ移行する。
肝心要の部分であるので、僕も気合を入れてやっていきたい。
「これ、決定稿です。お願いしますね」
「ん。わかった。今のを描いたら、これになるかな」
手渡されたソレを受け取って、失くさないようにファイルに挟む。
言わばこれは絵本の命なわけで、まさかぞんざいに扱うわけにはいかない。
「もうそこまで追いついてきているんですか?」
「うん。一応何回か吟味したりしてるんだけどね。結構、追いつけるのも早かったかな」
「そうですか。私も頑張らないといけませんね」
冬森さんはそう、驚いたような顔をしていた。そんなに早いつもりもないのだけれど、もう少し遅いものだと思われていたのだろう。
粗末な仕事をしている覚えは無いし、気にすることは無いのだけれど。とりあえず、描きかけのこれを仕上げていこう。
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