過去ログ - 男「また、あした」
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49:>>1[saga]
2011/03/31(木) 21:05:26.41 ID:fHikxmWh0
そうですか、としか言いようが無い。
春野さんや冬森さんで多少の女の子耐性がついてきたとはいえ、苦手なものは苦手だ。それに、初見なものだから尚更だ。

「やれやれ。そこまで露骨に避けられるとさしもの私も傷つくね。藤井君に慰めてもらってくることにするよ。じゃね」

藤井君、そんなキャラだっけ?
もっと内向的な人だと思ったんだけど。あの先輩なりのジョークなんだろうか。僕がそう考えている間に彼女はさっさと保健室を出て行った。
確か藤井君は手芸部で、それの先輩なんだから手芸部として活動しているんだろう。
夏休みでもチクチクとお裁縫をやるというのだから、文科系の部活もなかなか努力家といえよう。
運動部や、吹奏楽部のように気合の入ったところはなかなかないにしても、だ。

「そんなにひどくはないわね。少しクラっとして、そのまま寝てしまったんでしょう」
「寝て?」
「大分寝不足なんだと思うわ。日射病には変わり無いけど、気絶するほどひどい症状じゃないし。まぁ、身体弱そうだものね。君もだけど。何部だっけ?」
「絵本部です」
「ああ、絵本部。新設された? 頑張るわね」

寝不足。これが単純な単語であればいいが、大体僕が寝不足になるというのはひどく不安になったり、何かひどく怖いことがあるときだ。
僕と冬森さんは似ている。だからといって何もかも同じというわけではないが、この辺りは似通っていてもおかしくない。
杞憂にすぎないと考える方が無難なのだろうけど、何ともいえない胸騒ぎがする。
今現在、冬森さんがそう不安になったり、怖かったりすることとはなんだろうか?
考えても結論も、答えの出るわけの無い命題なわけで。僕はこういう、出口の無い迷路のような考えが一番不安になる。
考えれば考えるほどドツボなわけで、今はやれることをしたほうがいい。
いいつまでも保健室にいくわけにはいかないだろうし、僕は後を先生に任せて部室に戻ることにした。
とりあえず、僕にできるのは絵を描くことなんだ。


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