過去ログ - 男「また、あした」
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65:>>1[saga]
2011/04/02(土) 21:02:20.96 ID:E8E9vU700
気がつけば病院のベッドの上。知らない天井だ、などと喜ぶ前に身体に電撃の如く激痛が走った。
冗談じゃない。なんだってこんな目に。寝起きにスタンガンなのか。

「よう、起きたか色男」

僕を覗き込むように見知った顔がそんなことを言った。色男とは何の比喩か。
気にはなるが、意味を聞くのも癪なので僕も軽口で返す。

「なんだ、夏原か。僕がここにいる理由を想像するに、多分僕の乗機が大破したんだね」
「そんなボケをかませられるなら上等だ。それにお前は絶対後方任務で、それも広報か補給課だろうな。機体なんか最初から回ってこないね」

カミカゼも許されないらしい。補給部隊も危険だと思うけどね。

「まぁなんだ。大事に至る前に俺がきたことを感謝しな」
「気絶するほどやられたんだから、些事だとは思えないけど」
「骨が折れてないんじゃ、大事じゃないね。一度経験したほうがいい」
「できれば経験したくない」

あんだけ蹴られ殴られして折れてはいないらしい。思ったより僕の身体は頑丈に出来ているのか、夏原がかなり早かったのか。
まぁ、そういえば足も速かったしね。

「それで、冬森さんは?」
「病室の外にいるよ。あんまりに泣いているんで、春野が珍しく慌てていたよ」
「泣いている? ええと、まさか。考えたくないんだけど」
「怪我も操も散ってない。安心しろ」
「そっか。じゃあ、なんでだろう」

とりあえず、彼女の身に何かあったわけではなくて何よりだ。
突入した甲斐もあったというもの。まぁ、僕は殴られていることしかできなかったけどね。
夏原のおかげだ。それにしても、泣いている、ねぇ。他に冬森さんが泣くような要因が?

「お前も鈍いね。お前が怪我しているからだろ」
「え、なに。僕のせい」
「自分の責任だ、とか。会わせる顔がないだとか言っていたよ」
「あー……逆だったら僕もそう思うかもね。じゃ、入れてくれないかな。話もしたいし。ああ、夏原は外に出ててよ。それで、ドアを固めといて」
「構わんが、怪我の腹いせに暴行に及ぶつもりじゃあるまいな」
「やめて」


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