16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[saga]
2011/03/29(火) 00:01:05.56 ID:D6BnVlAAo
  
 ― 魔王城 中庭 ― 
  
  
 少女「ここどこ……?」キョロキョロ 
  
 少女「ぁぅー、お手洗い行きたいだけなのに迷っちゃった……」 
  
 少女「わぁ、綺麗な花壇! チューリップにカーネーション、薔薇にガーベラ。こっちはマーガレットも!」 
  
 ?「お気に召されましたでしょうか?」 
  
 少女「ひゃっ」ビックリ 
  
 ?「申し訳ございません。魔王様を驚かせるつもりはございませんでした。平にご容赦ください」 
  
 少女「い、いえ。私こそ勝手に入っちゃってごめんなさい」 
  
 ?「私は獣王様の配下、獣人族の花守りと申します」 
  
 少女「よ、よろしくお願いします……」 
  
 少女(猫さんみたいな人間みたいな?) 
  
 花守り「猫と人間のハーフと思ってくださって結構ですよ」ニコッ 
  
 少女「にゃーん?」 
  
 花守り「にゃーん」ニコニコ 
  
 少女「あははっ」ニコッ 
  
 花守り「素敵な笑顔でございます。ここは魔王様の為の庭園。いつでも魔王様の為に花を咲かせております」 
  
 少女「ほぇー。お手入れ大変そう……」 
  
 花守り「そのようなお言葉をいただけるだけでも過分でございます」 
  
 少女「そんな、畏まらないでください。私、魔王なんて言われても全然わかんないですから」アセアセ 
  
 花守り「ご記憶がないと伺っております。前魔王様は花には興味を示されませんでしたが、今回は私の腕をご覧頂けると心から嬉しく思っております」 
  
 少女「あははは……」 
  
 少女(何て言えば良いのか全然わかんないよぅ。でも、悪い人じゃなさそう) 
  
 少女「あれ……?」ソッ 
  
 花守り「どうかなさいましたか?」 
  
 少女「あ、いえ、スズランが一本だけここに生えてたから」 
  
 花守り「これは失礼いたしました。種が紛れ込んでいたのでしょう。すぐに抜きますゆえ……」 
  
 少女「ううん。スズランとライラックってすごく綺麗で大好きなんです」 
  
 花守り「このスペースは確かにライラックを植えておりますが……なるほど。言われてみるとお互いが引き立てあって調和が取れておりますね」 
  
 少女「スズランは幸運のお花って言われてるんですよ?」 
  
 花守り「人間界では花に色々な意味を持たせていると聞いた事がございます」 
  
 少女「うん。薔薇には『愛』、チューリップは『思いやり』、カーネーションは『純粋な愛情』。他にもたくさんあるんですよ」イッパイ 
  
 花守り「なるほどなるほど。もしよろしければ他にも教えていただけないでしょうか」 
  
 少女「もちろんっ。って、ごめんなさい。今はちょっと……」 
  
 少女(お手洗い行きたかったの忘れてた……)モジモジ 
  
 花守り「お時間を取ってしまい申し訳ございませんでした。またお時間のございます時にお願いいたします」ペコリ 
  
 少女「は、はいっ。また来ますね。ぜったい!」タタタタタ 
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