3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage]
2011/03/28(月) 23:39:52.42 ID:Y4tf1Tbwo
レポーター『私は今、富士山麓に突如として現れた謎の巨大洞穴に来ています』
事の始まりはあの日の夜。いつも通りに学校が終わって、いつも通りにバトン部に行って、いつも通りに来年の受験に備えて塾に行って、いつも通りに帰宅してご飯を食べている時に見たニュース番組でした。
レポーター『一昨日起こった地震の後に発見されたというこの洞穴。当初は世界大戦時に作られた秘密の研究所跡という説もありましたが、どうやら自然に出来た物らしいと本日政府より発表がありました。我々取材陣にも許可が下り、今、こうして洞穴前に来ております』
少女母「怖いわねぇ」
少女父「そうか? 僕なんかは大昔にやってた○口ヒロシ探検隊を思い出すよ」
レポーター『穴内部はまだ調査が進んでいない為入り口のみの取材という事ですが』
少女「あれ?」
少女母「どうしたの?」
少女「ん……何かヘンなのが見えたような」
少女父「洞穴から湧き出てきた地底人かもしれないぞぉ?」
少女「もう、そんなの信じるようなコドモじゃないもん!」プクー
少女父「はっはっは。それで、何が見えたんだい?」
少女「うーん……よくわかんない。ただ、なんとなく何かが『視えた』気がしただけだから」
少女母「『お勉強』のしすぎかしらねぇ? この前のテストの結果、聞いたわよ」
少女「はぅ……」
少女父「五教科平均が79点、か。もう少しだけがんばろうな」
少女「はぁーい」
少女母「今日は宿題はないの?」
少女「塾で片付けちゃった。あとは予習と復習だけ」
少女父「おぉ、偉いぞ。ご褒美に次の日曜日は好きな所に連れて行ってやろう」
少女「ホント!? あのね、あのねっ、私、春物のお洋服が欲しいなーって」
少女母「この子には本当に甘いんだから……」
父との約束は結局果たされませんでした。
私が『視た』のは気のせいなんかじゃなくて、なんだろうって思ったのは私が知らない得体の知れない『ナニカ』で、その『ナニカ』と私はその翌日に、出会う事になっていました。
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