過去ログ - モダンブレイバー 〜三人のこと〜
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/30(水) 21:31:27.42 ID:9b91y1IMo

 途端、俺は後悔した。
 手の中にあるのは、まぎれもなく死の重みと温度だったから。
 重く冷たく。そこに何かの救いが入る余地はなかった。

 だが視線を感じる。ちらりと横目で見ると、少女の目にほんの少し、それでもわずかに期待があるのが分かった。
 彼女は知っている。彼女の小さな友達はもう手の届かないところに行ってしまった事を。
 それでも期待している。期待せざるを得ない。なぜならば彼女は今、不幸だからだ。
 負けるわけにはいかなかった。

「起きろよ……」

 頼むから。

 俺は静かに、そして穏やかにその小さな生き物の背中をなでた。
 手の熱が伝わるように、ゆっくりと撫でた。
 ――そして、時間だけが無情に過ぎた。

「……」

 隣から、再び嗚咽の声が聞こえた。
 俺はその時、初めて神に祈ったかもしれない。

(起きろ!)

 ……その時だった。
 手の中に、小さな反発があった。

「え?」



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