過去ログ - モダンブレイバー 〜三人のこと〜
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/30(水) 00:17:10.41 ID:9b91y1IMo
規則正しい揺れだった。退屈な日常を代弁しているかのようなそれに俺は身を任せる。肩かけのスポーツバ
ッグも合わせて小さく揺れていた。
朝の電車はすかすかだった。それほど早い時間というわけでもない。今は夏休みだから、普段乗客の大部分
を占める学生が激減している。
あくびを一つかまして、俺は何気なく電車の中を見やった。
サラリーマンが多い。スーツ姿の彼らは、何を考えているのか分からない顔でむっつりと俯くか窓の外を見
るかしている。
学生もいないわけではない。しかし目につくのは部活行きと思しき制服姿が四人ほど。多くはない。
後はよくわからない客が数人。揺れにも関わらず立ったまま新聞を読んでいる男と、私服だが高校生と思し
き少女が何かのかごのようなものを持って座っているのが気にはなった。
退屈な日常の中を漂うようにしている彼らを見ると俺はいつも思う。幸せってなんだろうと。
もちろん彼らが不幸に見えるというわけではない。ただ、俺は――
電車が駅に着き、俺はそれを降りるといつもの道をたどった。
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