過去ログ - モダンブレイバー 〜三人のこと〜
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53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/05/02(月) 17:06:24.32 ID:s5qfHOTlo

 ハムスターの時のように。いや、あのときよりも熱心に。俺は祈っていた。
 いるかも分からない神に、天使に、奇跡に。
 白い病室のベッドで昏々と眠り続ける吉川の手を握りながら、祈っていた。

 現実は残酷だ。
 俺たちはどんなに仲が良くとも大人にならければならない。
 選ばなければならならない。
 そして受け入れなければならない。

 それは不幸だ。きっと理不尽だ。
 ゲームのような夢の中、まどろんでいたっていいじゃないか。
 吉川が俺を選んだ未来があったっていいじゃないか。

 白いその部屋で、電子音だけが静かに響く。
 吉川の手に力を込めた。
 俺が幸せになれる何かがあったっていいじゃないか。

「でも、やっぱり受け入れなくちゃならないのよね」

 弱弱しい声がして、手を握り返してくる力を感じた。

「私たちは生きているから」

 吉川は、ずっとこわばったままだった頬に、小さな笑みを浮かべた。

「ただいま」
「……おかえり」



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